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side冒険者2:襲撃

また冒険者視点です。

 行方不明の弟を探しにきた冒険者のザボン一行。

 一行がジカの森へ訪れて数日が経過していた。


 ☆☆☆☆☆☆


 この森は冒険者になったばかりの新人が通う森だ。

 ベテランの俺達だとこの森ではオーバースペックになる。

 ギルドから立ち入りの許可を貰ってはいたが、あまり魔物を狩り過ぎないように言われている。

 そのため、なるべく魔物に遭遇しないように探索していた。


 魔物に遭遇しないようにすると、当然探索は難しくなる。なかなか探索が進まなくてイライラした時もあった。

 だがついに、ついに見つける事ができた。


 洞窟だ、それもかなり大きい。

 ジカの森では明らかに不釣り合いな大きさ。そして、この中から気配を感じる。

 明らかにゴブリンの巣穴ではない。

 弟達の仇の手がかり。いや、間違いなくこの中にいるはずだ。


「ここだ。ここで間違いない」

「でっかい洞窟だな、ザボン。ここまででかいのは俺たちも初めてじゃないか? この規模だとオーガでも出てきそうだ」

 ドドリが神妙に警戒する。

 オーガは俺達にしても簡単に倒せるような魔物じゃない。事前の準備を入念にして、不意を打って何とか勝てるか、そんな相手だ。


「いや、オーガではないな。あいつらは洞窟を作るのが下手だ。中を見てみろ、丁寧に作られている。何よりこの森にいるゴブリンが穏やかだ。恐らくホブゴブリンだろう」

 ホブゴブリンはゴブリンの上位種で、ゴブリンと共存して生活する習性がある。

 オーガもゴブリンを従えることはあるが、それは恐怖によるところが大きい。


「ホブゴブリンでこの規模の洞窟か……、いったい何十年ここで暮らしてたんだか」

 中を覗くとその広さに驚かされる。一体どれだけの広さになっているのか見当がつかない。

 今までも沢山の洞窟を見てきたが、ここの広さは異常だ。


「あいつらにゴブリンの洞窟の見分け方をしっかり教えておくんだったな……」

 ジカの森を卒業してから教えようと思っていた。

 洞窟の見分け方だけじゃなく、沢山の事を教えたかった。でもそれはもう叶わない。


 ジカの森にゴブリンより強い魔物がいるなんて思っていなかった。

 後悔をするが、後悔で弟が帰ってくるわけではない。あいつらの遺体を持ち帰らないといけない。


「ザボンさん、あの子達の事あきらめてませんか?」

 アップルは優しく声をかけてくれたが、この洞窟を見つけてしまった以上生存は絶望的だろう。


「……そうだな」

 だが、まだ諦めていないアップルにそんなことは言えない。悲しいのは俺だけじゃない。

 冒険者という職業は死の危険性とは隣り合わせだ。当然俺も覚悟はしていた。いや、しているつもりだった。

 しばらく探索していたおかげで返って落ち着くことはできたが、それでも辛い。


 中に入って更に驚かされる。

 一直線に広く、何より壁がきれいだ。

 

 ギニュの先導の元、俺達は洞窟を進む。

「リーダー、気をつけてくれ。すぐそこにトラップがある」

 俺たちのパーティの狩人は優秀だ。

 ただ歩いているだけなのに、あっさりと罠を察知する。


「それと、この道はダミーだな。別の道がある」

「別の道? どう見ても直線じゃないか」

 この洞窟は広い変わりに一直線に道ができている。とても別の道があるようには思えなかった。


「いや、よく見ろ。すぐそこに横穴がある」

 そう言われて指を指された方向に目を向ける。目を凝らして見ると、へこみの要なものが見える。

 洞窟の入り口側からだと分かり辛い構造になっているようだ。


「恐らくあそこが本来の道だろう」

 ただのへこみの様にも見えるが、ギニュが言うならそうなんだろう。

 狩人としての感なのか、洞窟ではギニュが言った方向に行くといつも当りを引いていた。


 警戒しながら横穴に向かう。まず最初に入るのは狩人のギニュだ。

 そして次に俺、次にアップル、最後にドドリが登ってくる。


 中に入るとこの道が正解だったと良くわかる。

 気配が全然違う。生活の痕跡を感じる。

 あれだけ広大な道をダミーとして作成する。一体どんなやつなんだろうか。

 憎い仇だが、少し興味がわいてきた。


 そして警戒しながら進むと……


「いたな」

 予想通り、俺達のターゲットはホブゴブリンだった。


 ホブゴブリンは初心者にとって強敵だ。

 ゴブリンより一回り大きく。何より知能が違う。


「奴らも気が付いていたか」

 ホブゴブリンが4匹、こちらを囲んでいる。


 俺達を待ち構えていたようだ。

 こいつらが弟達を……。


 この森においてホブゴブリンは最強の種族だろう。

 新人の冒険者が洞窟で出会った場合、待っているのは確実な死。

 いくら鍛えていたとはいえ、弟達では勝てない。

 1対1で森の中で遭遇すれば別かもしれないが、巣穴に入ってしまえば絶対に勝てない。


 だが、俺たちにとってのホブゴブリンは


 雑魚だ。


 まずは正面にいるやつから切り伏せる。


 スパッ


 首があっさりと地面に落ちる。

 なんてことはない。


 弱いな。

 こんなやつらに……、弟はまだ新人だった。だが才能だけなら俺よりも上だ。本来ならこんなところで死ぬような奴じゃなかった。


 くそっ!


 続いて二匹目を切り倒したことでホブゴブリンは一旦下がる。

 こっちも油断はできない。ここはあいつらの巣穴だ。


 一旦下がったやつらだが、意を決した要にこちらに向かってきた。

 そのうちの一体が全力で俺を攻撃してくる。だが……。


 シュパッ


 胴を輪切りにする。

 続いてもう一匹も切ろうとしたとき、それに気が付く。


 後衛、アップルのほうに向かっている。

 やつらは俺を倒せないと諦めて、一矢報いようとしているのだろう。

 だが……

「はぁっ!」


 ドドリが全力で薙ぎ払う。

 その一振りで即死だ。

「こんなものか……」


 殺せばスッキリするかと思っていたが、むしろやるせない気持ちがこみ上げてくる。

 もっと強い敵だったら……。

 そう思い、構えを解こうとしたその時。


 !!


 殺気を感じた。

 とっさに振り向くと、さっきまでのホブゴブリンとは圧倒的に気配の違うやつがいる。


 こいつはただのホブゴブリンではない。

 恐らくこの洞窟の主だろう。


 怒りの形相でこちらに向かってくる。

 だが、怒っているのはこちらも同じだ。


 カキンッ!


 奴の剣を受けるとその衝撃を手に感じる。

 やはりこいつは他のホブゴブリンとは違う。

 今まで出会ってきたホブゴブリンの中で最強だ。


「俺一人でやらせてくれ!」


 こいつを倒せば俺の気持ちは落ち着くのだろうか。

キャラの書き分け難しいです。

口調をもっと特徴的なものにすればよかったorz

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