表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

いじめ白書

 いじめって、何なのでしょう?


 暴言、無視、仲間外れ、暴力エトセトラ


 いろんな形のいじめがあって、いろんな状況がある


 では、なぜいじめが起きるのでしょう?


 答えはとても簡単


 それは、人間が『他人を見下す』ことでアイデンティティーを保つ生き物だからです

 

 自分より勉強が出来る人や、お金持ちな人、社会的身分の高い人や人気のある人ばかりを見上げてばかりでは、自己嫌悪に陥るだけでしょう?

 だから心のどこかで自分より弱い人を作り、見下すのです

 

 そうやって、自我を保ちながら日々を生きてゆく


 これが、いじめの起こる原因なのです


 だから、どんな場所でもいじめは無くならない


 無くなったら、逆に不自然なぐらいな哀しい現実


 では、どんな理由でいじめられるのでしょう?


 冴えない、勉強が出来ない、お金が無い人、スポーツが出来ない、喋るのが下手、特殊な性癖があるエトセトラ


 挙げていくとキリがない、様々ないじめを正当化する理由


 SNSの既読無視ごときで、カーストから転げ落ちる


 一度決定されたカーストは余りに残酷で、不動の存在です

 

 質量約160グラムの薄型通信機器は、タイムラグ無しに『空気』を地球の裏まで伝える


 目に見えない、けれども確実に存在する『空気』

 最近では読まない事が悪とされている『空気』


 その『空気』に、年間千人以上の人が殺されていく


 知ってます?

 どんな過酷な紛争地域でも、年間千人以上の自殺者はいないんです

 この国の『空気』は、この世のどんな怪物より恐ろしい

 

 残念なことに、人は容易く『空気』を読みます

 

 だって、そうしないと自分がカーストから転落するから


 そうして作られた、『空気』という名の怪物


 物理攻撃不可、不可視でヒットポイント自動回復な悪魔

 攻撃は一撃必殺ではない、けれども確実に精神を削ってくる

 溜まりに溜まったダメージに、いつしか人は殺される


 圧倒的な差に、戦わずに逃げ回ることを覚える


 新学期、まずはクラス内の空気を読みます

 日向の人間たちのグループに素早く入り込んで、リーダーの子に迎合する

 リーダーの子の好きなものは、自分の大好きなもの

 必ず即レスで、かつ鬱陶しくないぐらいの分量で返信する

 正論なんて『寒い』だけだから、強者の言葉が聖典になる

 ダサい子、つまらない子はグループから排除する


 ほら、あなたも立派ないじめっ子


 仕方ない事なんです


 だって、やらないとやられるから


 じゃあ、仕方ないと切り捨てられたいじめられっ子はどうすればいいの?


 まず、いじめっ子の言葉は無視しましょう

 

 次に、いじめられていることに何も感じないように振る舞いましょう

 要するに、日々を飄々と生きるのです

 

 確かに強がりですし、見栄っ張りです


 ですが、これが一番効果的なんです


 様々なものが溢れているこの時代、人の意識は移ろいやすいものです

 だから、いじめても面白くないと強者が判断したら、あっさりいじめはなくなります

 どうせ、次の話題はゲームかおもしろ動画についてです

 

 さあ、いじめのなくなったあなたがすべきことがあります

 

 それは、『親友』を見つけることです


 『親友』とは、夜中に管を巻いても文句を言いながら話を聴いてくれるぐらいの間柄を言います

 

 探せば『親友』はどこかにきっといますので、諦めないでください


 見つけた『親友』は、一生大切にしてください


 時に冗談を言い、時にご飯を奢りあいながら日々を過ごして下さい


 そうすればいつか、自然と周りに人が集まってきます


 一生いじめられたり、強者の顔色を伺うのはバカみたいでしょう?


 あなたはそんなために生まれてきた訳じゃないはずです


 一番かっこよくなれないのなら、一番しぶとく生き抜いてやりましょう


 一番人気になれないのなら、一番周りの人を大切にしましょう


 そんなあなたに、人は惹かれるものなのです

異論、反論など多々あると思います。

感想でお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ