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夢と空と魔法の旅  作者: 一ノ瀬レア
5/8

旅の誘い

「…私が旅?」

思いもよらない誘いにサニーは愕然とした。

「ああ。世界を俺と一緒に旅しないか?」

レイアは、ぱぁと両手を広げサニーを誘う。

しかし、サニーは戸惑いの仕草をした。

「…で、でも、私…外に出ていいのかな?」

「ん?なんか外に関連する、病気があるのか?」

「…違う。私…。」

もじもじしながら困惑するサニー。

さすがに、急に誘いこんだら困惑するか…。

野菜スープを飲んで、少し反省する。

でも、さっき外に出ていいかって聞いてきたのは何でだろう?

一人暮らしだよな…たぶん。両親も使用人のいないとか、すっと独りって言ってけど

それに関係あるのか…

「なあ、外に出ていいかって問いかけたのは、お前の一人暮らしに関係あるのか?」

「…!うん。」

少しビックリしたサニーは頷いた。

「嫌なら、答えなくていい質問するよ。何で外に出ていいか聞いたの?」

普通の人はこんな質問しないだろう。

けど、俺は知りたかった。サニーが寂しいそうな顔しているから。

長い沈黙が続き、やがてサニーは口を開いた。

「…私…レイアを、あの崖から一人運んだって言ったこと覚えている?」

「うん。」

「…私、何でか知らないけど、この身体と合わないぐらいの力を持っているの… 怪力って言ったらいいかな?けど、それだけじゃない、2年の記憶もないし、身体から炎が出たことだってある。それにこれを見て…」

サニーは左目を隠している、長い前髪を上げた。

「っ!」

レイアは目を見開いた。

長い前髪に隠れた左目は、真紅のように紅く輝いていたからだ。

青色の右目と違う、紅い左目がサニーの顔に合った。

「…真紅のように紅いでしょ。…私ね両目の色が違うの。

…何が言いたいのか、わかったかな?」

悲しく寂しい表情でサニーは笑う。

「…こんな得体の知れない私は、旅をして、外に出ていいのかな?」


その質問は、まるで【私はここにいていいの?】問いかけられたようだった。


「…誘ってくれてありがとう。レイア…嬉しかったよ。

…あ、後ね、森を抜けたら村合ったでしょ、村の人に私の事、黙って欲しいの…。

あの人達、私の事【魔女】って言って嫌うの…。

それとね、レイア。もうあの村の、酒場で食い逃げしたらダメだよ…。」

焦るように言葉繋ぐサニー。

「…俺が出ていいたらお前どうするんだ。」

「…私は、いつもどうりにここにすっと住む…よ…。」

「また、独りでか。」

「…う、うん。寂しいけど大丈夫。それに前ね外に出て村の人に、左目見られてそれで…。

気味悪いって…。」

「俺は気味悪いなんて一言も言ってないけど。」

だんだんサニーの顔が曇っていく。

「…レイアは怖くないの…。何とも思わないの…。」

確かに何とも思わない事はない、びっくりしたし、初めて両目の色が違う子を見た。

けど、

「世界を旅するって決めたんだ、こんな不思議な事があって当たり前だろう。」

どんな事があっても受け入れないといけない。

そういった俺は、手を上げてもう一度サニーに問う。

「―――俺と一緒に旅をしないか?」

「…レイアは私が怖くない?」

「ない。」

「…私2年前までの記憶しかないから迷惑かけるかも…。」

「旅するんだ、ハプニングは必ずおこる。

それに、寂しい顔した女の子を助けるのって男の役目だろう。」

俺は、そう言い笑った。

サニーは今にも泣きそうな顔で

「…レイア。私もう独りになりたくないよ…。」

と言い、ぎゅうっと俺の手を握りしめた。

「大丈夫、俺と一緒に旅するんだ、独りならねぇよ。」

世界を揺るがす旅が、今始まる。


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