出会い
気がつくと、そこはベットだった。
天井は、花の模様があり、中心には大きなシャンデリアがあった。
絹の素材で出来たベットのシーツや、
横にある薔薇が入った花瓶、見渡して見ると、部屋はかなり広く、まるで、豪華なホテルのロビーみたいだ。
「ここは・・・どこだ。」
痛む身体を起こし、部屋全体を見渡す。
窓には朝日が射しており、小鳥のさえずりが聞こえる。どうやらあの食い逃げから、夜が明けたみたいだ。
そういえば、あの後俺はどうなったんだ?
崖から落ちて、頭打ったし、身体はボロボロになって・・・。
考えながら痛む身体を見ると、怪我の部分にあちこち包帯が巻かれいた事に気づく。
身体には、随分綺麗な包帯で、応急処置されている。
「・・・誰かが俺を助けた?」
そうしか考えられない。
しかし、一体誰が?
俺が気絶する前のあの人影か?
ーーーガチャ。
考えると、同時に部屋の扉が開く。
コツコツと足音が聞こえ、ゆっくりっと人影が現れ
る。
こいつが俺を助けたのか?
だんだん人物の姿が見える。
「・・・・・・目・・・覚めた?」
綺麗な声で現れたのは、幼い少女だった。
身長は低く、左目が長い前髪に隠れてて、蝶々の髪飾りを着けたお人形みたいな少女だ。
「・・・・・・身体大丈夫?」
再び少女は綺麗な声で話かける。
「お、お前が手当てしたのか?」
一瞬見とれていた俺は、焦って少女に質問してしっまった。
幼い少女に、対してなにキョドってるん俺は!
少女は静かに、コクンっと頷く。
「そ、そうか。ありがと!」
素直にお礼をいい頭を下げる。
「・・・・・・無事ならいい。」
「いや、本気で助かった。手当てしてくれなきゃ
最悪の場合、俺死んでいたし。」
生きても、落ちた痛みで、もがいてるだろうし。
「そうだ!親御さん達にもお礼しなきゃ!
親御さんどこかな?」
こんな大きなお屋敷に1日世話になったし、
この子1人で俺を運べるわけないだろうし、とりあえず親御さんにお礼言わなきゃ。
ベットから起き上がり、少女にいつでも案内されるように、少女に近寄る。
しかし、少女は俯き、やがて小さな声を出した。
「・・・・・・い・・・ない。」
「え?」
「親・・・いない。」
「親御さんいないの?じゃあ使用人さんでもーーー。」
「誰も・・・いない。私1人・・・だけ。」
「・・・え。・・・じゃあ1人で俺を運んだの?」
こんな小さな少女が?
嘘だろ?
言葉失い、俺は愕然とし、もう一度少女をまじまじと見るけど、俺を持ち上げる筋力など無かった。
マジかよ・・・おい!
「・・・君、凄いね!」
「・・・え?」
その小柄な身体で、俺を持ち上げるなんて!
「・・・・・・。凄い?」
少女は、疑問を浮かべた顔で聞き返す。
「ああ。スゲェ!」
感動して、褒めると
グゥウウウウウ。
ふと 、大きなお腹のなる音が聞こえた。
ヤバイ、ちょっと恥ずかしいかも。
腹を押さえ苦笑いする。
「・・・お腹すいたな、アハハ・・・。」
笑ってその場誤魔化すと、
「くすっ。・・・よかったらご飯一緒食べます・・・?。」
少女は少し、はにかんだ。
「いいのか?」
少しドキドキしながら聞く、このドキドキはご飯に
対するものじゃなく、はにかむ少女が可愛いかったからだ。
ホント綺麗な子だな・・・。
じっと見つめて返事を待つ。
「・・・はい。いいですよ。」
少女はまた、はにかむと、こちらですと言い、食堂まで案内してくれた。
「あ、そういえば」
案内されながら疑問に思ったことがある。
「名前まだだったな。俺はレイア。お前は?」
お互いまだ名乗ってなかったのだ。
「・・・レイアと言うんですね。・・・私はサニー。」
サニーが名乗った時、ちょうど俺達は、食堂についた。
サニーは台所に行くと、テキパキと料理を作り
野菜のスープと香ばしいパンをすぐに完成させた。
料理の他に果物や、お菓子など並んでおり、
とても豪華だった。
「スゲェ・・・。高級レストランの料理見てぇだ。」
椅子に座り、ズラリと並ぶ料理を見て早く食べたい
と思い 、サニーを見る。
サニーはコクンと頷き
「・・・どうぞ。遠慮なく召し上がってください。」
と言い、皿とスプーンを差し伸べた。
「いただくます!」
すぐに俺は渡された物を取り、パンやスープに齧り付く。パンは柔らかく味がしっかりとしていた、
スープは野菜の甘味が美味しかった。
モグモグ食べる俺を見て、サニーは、俺の隣の席に座った。
「・・・一緒に食べていいですか?」
「・・・?いいよ?」
「・・・私、誰かと一緒に食べるの初めて・・・。」
「そうなのか!?」
以外だな。
「・・・ずっと独りぼっちだったから。」
「ずっと?」
親とか使用人とかいそうなのにな。
モグモグ食べ続けていると、またサニーが口を開く。
「・・・そういえばレイア。どうしてあの森の奥の崖に落ちたの?」
「ーーーうぐッ!」
思わずむせかえり、ドンドンっと身体を叩く。
うん。まあそりゃ気になるよね。
「・・・なんか変なこと聞いたかな?」
心配しながらコップに水を入れるサニー。
「いや、普通気になるよな。
ええっと、く、食い逃げしたんだ、そんで追いかけられて 、が、崖から落ちたんだ・・・。」
コップの水を飲み干し、気まずそうに目をそらす。
「・・・食い逃げ?
・・・・・・それはレイアいけないと思う。」
「ですよね。わかっています。」
おっしゃる通りです。
「・・・でも、どうして食い逃げしたの?」
「金持ってくんの忘れたんだよ。俺今旅してんだ。だから致し方なかったんだ。」
「・・・旅?」
「おう!俺がいる世界ってさぁ地図がないんだぜ。だから、俺が地図作って 、旅の最後"エデン”に行きたいんだ!」
「・・・なんだか、カッコイイね」
興味深々に聞くサニー。
珍しいなこの話をこんなにも真面目に聞く奴・・・。
すると 、頭にある提案が浮かんだ。
「サニーお前も一緒に旅しないか?」