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ファミリー

エヴァンとラルフは、イーサンの予想した通りツインズに振り回されていた。だけど幸せだった。

すっかり甘えたツインズは常にラルフのたくましい両腕に抱かれたがった。


「キミが来るまでは僕がこの子たちのヒーローだったのにな、ちょっと妬けるな」


というエヴァンに


「また次からあなたがヒーロー返り咲きよ」


と、さみしそうにラルフが笑った。

もう二人でこの町に帰ってくることはないだろう。口には出さなかったけどそれは二人ともわかっていた。エヴァンの今回の帰省はカミングアウトが目的で、家族に祝福されて結婚を許してもらおうなどとは初めから思っていなかった。たとえ反対されても二人の意思は揺るぎないものだったから。


「ラルフ、いくらキミでもずっと二人を抱っこしていたら疲れるだろ?」


花束を抱えたエヴァンが恋人をいたわった。


「アタシのハガネの肉体を甘くみないでね。なんならあなたも背負ってあげるわよ」


「かんべんしてくれよ。そんなことされたら昼間から欲情しちゃってもしらないぞ」


「もう! エヴァンったら!」 


四人の影がひとつになって郊外の墓地へと続いた。




ルイーズの墓地には先客があった。妻の墓石の前にレイクはたたずんでいた。


「怒らないで聞いてくれないか? キミにだけはカミングアウトさせてくれ」


レイクは亡き妻に長い話を始めた。




「ちょっと後ろ見ててくれよ! 後続車が全く見えない!」


ハンドルを握りながらイーサンは叫んだ。


「なんでこんな大きいの買うのよっ!」


とシンディも叫ぶ。


イーサンが運転する車の後部座席には体長が2mもある巨大なテディベアがでんっと座って後方の視界をさえぎっていた。


「だってこのサイズじゃないと今度ラルフがやってくるまで子供たちがさみしがるじゃないか!」


「もう! イーサン、あなたってかっこいい! 愛してる! 愛してる! すごく愛してる!」


巨大テディベアを乗せた車は母親の眠る墓地へと向かった。

   


THE END








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