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悪人達の日常  作者: 安雄
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楽しい食料調達?

今回はやっと戦闘描写を出せました。

基本、にわか知識で書いてる部分が多々あるので、間違ってたらご指摘をお願いします。


※それと投稿は多忙の為、まちまちになりますが…ぜひ読んで言ってください♪

無味で土臭いスープをなんとか腹に流し込んだ。

次の日…どうしてあんなに不味いものが出来上がったかオットーを問いただすと…


『そんなこと決まってるじゃないッスか!調味料も底を突いていたあげく、食料も質の悪いものしか残っていなかったからッスよ♪…ほら、見てみるッス!』


オットーが、指差した方向を見ると…畑があるにはあったが土の状態が素人目でみても明らかに悪く、又なっている芋も形が悪く…その多くが食べられそうにはない。先程の食事もある意味厳選はしていたみたいだった。


「なんでこんなに状態が悪いんだ?それに他の食材やら調味料は蓄えてないのか?」


『前にある冒険者PTが地下水源のいくつかの水流をぶち壊したせいで、俺っちの館まで水がほぼ来ないッス。一応、水をあげてはいるんスけど、水源のに比べると…その差は歴然ッス。…調味料については町に行って買うお金がなかったッス。他の食材は、結界の外へ行けばいくらでも魔物がいるッスから狩れば済む話なんスけど…お恥ずかしいことに食料になるような魔物に勝てないッスよ…。自分より小さいネズミくらいなら勝てるッスけど。』


「気にすることはない。お前はもう一人じゃないし、三人もいれば狼くらいは殺れるだろうしな。お前は人間は攻撃出来ないかもしれないが…魔物には攻撃出来るんだろ?…俺の故郷には塵も積もれば山になるっていうことばがあるんだが、たとえお前がネズミを狩り続けていようが、ちゃんとお前の経験値になってるんだろ?ならオットー…お前は弱くないぜ?少なくともネズミよりは遥かに強い男だ!おまえはな…。」


俺が人を励ますなんて人生初めてかもな…やっぱり柄じゃないな…。サップに任せとけば良かったか?


『スカムぅぅ!…ぐすっ…ありがとうッス!俺、一人じゃないッスよね♪死神の恥なんかじゃ俺はないッス!』


よくわからないが、他の死神から馬鹿にされてたのかね?細かい事情はそのうちにでも聞こう…。


「なら♪早速、ひと狩り行こーぜ?あんな不味いスープだけじゃ足りねえし!」


「サップがうるせぇから早く行くぞ?…オットー、大体魔物がいそうな場所はあるか?あったら案内してくれ。」


『了解ッス!とっても穴場があるッスよ♪冒険者にバレてない秘密の場所ッス!』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「なんというか…凄いな。どうやったらこうなるわけか知りたいな。」


オットーの案内のもと、森の中を進み、広いところに出たものの、そこにあったのは幾つもの大樹が複合されてその中央には砦の様なものがみえる。


『元々、ひいじーちゃんの側近の一人が砦を造られたんスけど、三代目勇者率いる国軍によって陥落したらしいんス。それが月日が経って当時の園芸植物が育ちに育ってこの有り様ッスよ…。あと側近の人が土魔法の使い手だったことも起因してるらしいッスけど…。』


「今や、野良魔物の住みかってわけだ。それじゃかなりの数がいるんじゃないか?俺が一回幽体で偵察に行ってきてやるよ?」


「…頼む。外装からして広そうだし、出来れば大樹の方も見てきてくれ。おれらはそこらの茂みに隠れて作戦やらを話してるとするからな。」


『頑張れッス!』


そうしてサップは、憑依していた狼から抜け出しそのまま歩いて砦へと入っていった。…それにしてもこの世界の霊体どもは、ホントに常識外の奴等しかいねえのか?


----------------------------------


砦に入ったはいいが…随分あちこちボロくなってるし埃やらカビだらけになってやがんな。それに、奥の部屋に向かって何かを引きずった跡がある…十中八九、血も床にべったりだから餌確定だろうがな。


「何々…?プレートが埃まみれで読めやしねえ…。」


目を細めて、触れて払うことは出来ないが…息を吹きかけることは出来るため、強めに息をかけたら…ある程度吹き飛んでいった。そして、そこに刻まれていた文字は…


[第一食堂]


「うぉ!?食堂だと?だとしたら調理場も近くにあるかも知れねえよな?食材はイカれてるだろうが、塩やらハーブやらは残ってんだろ…?多分だけど。」


多少、食堂の中の危険が気になったものの…よく考えてみりゃ俺、スカムにはよく突っ込まれてるが…こうみえても悪霊の部類に入るからな。大抵の奴は触れることさえ出来ねえだろうな♪まあ…俺も大抵のものには触れられねえけど…。


ギギギッ!


「さて何が出てくるかなっと…。」


ふむ…。食堂とあってなかなか広いな…。机と椅子はもう腐って原型がなくなってやがるが、床はタイル張りのおかげかボロくなってるだけだな…。これでどす黒い血がそこかしこにこびりついてなかったら拠点のひとつにでもしたかったんだけどな。


「ん?ありゃ…近づかない方が身のためか?でも…スカムが後でうるせぇからな~。」


部屋の中央にやけに小綺麗すぎる宝箱が置いてある。天井を見ると穴が空いているため大方、そこから落下してきたのだろう。…だが宝箱にはキズ1つないようだ。


「…!?…ちっ!やっぱりミミックかよ!」


外に待たしてる二人にも悪いのでさっさと宝箱を調べようと近寄ると…大口開けて飛びかかってきやがった。所詮は箱!大して移動も出来ねえから逃げたもん勝ちだバーカ♪


バキッ!バキバキ…!


お、おう…。最近のミミックは羽を生やせるのか?いや…違うな…。ありゃ確かミミックの上位種であるデスボックスだったか?…あのポンコツ死神!法螺吹きやがったな!?取り合えず扉を開けて逃げることにした。


この食堂から砦の玄関口までそう遠くはないが、敢えて横にあった清掃用具箱に隠れた。どうせ追い付かれるだろうから最初から隠れた方が得策だ。


バサッ!バサッ!


…上手くいったみたいだ。あの箱野郎は見事外に出ていきやがった…ん?外!?ヤバくね?あいつら…。


ダダダダダ!!!カキン!

外から間もなく戦闘音が聞こえた。あいつら…じゃねえな?となると…別の誰かか?じゃああいつらはどうしたんだ?


--------------------------------------


サップが食堂に侵入した頃二人は何故か穴を掘っていた。魔法も使わず自力で。


『スカムぅぅ?どうしてこんなことするッス?』


「俺のスキルが警鐘を鳴らしている。不運なことには敏感なんでな。だがこのスキルのお陰で俺は生き延びてきた。今回も同じ感覚だから隠れるための穴堀りだ。」


『…そ、ッスか…!…ふぅ、こんな感じでどうスか?』


かなり広く、かつ下半身が納まる程度の穴が出来た。

「ならさっさとそこらの草で誤魔化して、隠れるぞ。様子も見なくちゃいけないしな?」


『もう…任せるッスよ…。どうにでもなれッス。』


穴を適当に集めた茂みでカモフラージュしたあと、穴の中に入り…暫くした後、何者かが近寄ってくる足跡がした。


「おーおー?これが依頼にあった土の四天王の砦、ね?随分…ボロいな♪公爵様も無茶言うよ…。一介の冒険者に四天王の財宝の回収とは…。」


ふと、草の間から見てみると…寝癖がかなり目立つ短い黒髪に、明らかにやる気が窺えない黒目。更に右手には煙草のようなものを持ち左手は持っているナイフを指だけで回していて、背中には槍を差していた。どうみても日本人にしか見えない。こいつもトリッパーか?


「S2ランクになんてならなかったら良かった…。取り合えず行くしかないじゃない~。」


謎の男はぶつぶつ独り言を言いながら、砦に近づき…ふと停止した。


『どうしたんスかね?』


男は少し左足を下げると槍を構え、身構えた。


ダダダダダ!!


突如、入口から羽を生やした箱型の魔物が何か男に飛ばしたが、全て槍で弾き飛ばし、槍を箱の側面にぶっさした。


ギャッ?


だが、箱には全く効いていないようだった。


『スカム!マズいッスよ!?…あれランクA2相当のデスボックスだと思うッス。サップは多分だけど、上手く隠れてるッス!だからこの場から逃げるッス!』


「オットー…俺の国には漁夫の利っていう言葉がある。今の状況に当てはめると、あの男と魔物のどちらかが勝ち、体力を消耗し疲れているところを俺とお前が殺って、全て横から掻っ払うということだ。」


『なんスか…?その言ったもん勝ちな言葉は?ただの屁理屈だと思うッス。』


そのまま男は左手に携えていたナイフを投擲したが、すぐ避けられた。


「引っ掛かったね♪残念。ナイフは囮だよ♪」


奴が避けると同時に、瞬時に相手に接近し槍を突出させ体が少し破損した。攻撃の時の隙をつかれて噛みつかれそうになるも、ナイフの鞘でしっかり防いだ。


「狼さんは石を入れられたらしいけど、お前には魔法をぶちこむぞ~♪」


「総ての魔法を合わせ、奴を混沌の彼方へぶっ飛ばせー!

『カオス・レインボー』」


猛々しい炎球に、荘厳な水の流れが加わり、更に眩しい光線が合わさり…大地が割れて全てを含む竜巻が箱野郎を含め砦ごと吹っ飛ばした。


「やりすぎたかな?別にいいよね♪人類の負の遺産は消えた方がいいし~またあんなのと戦うのヤダし。…さて探索しなきゃね♪隠し階段があるのがセオリー何ですけどね~。」


サップ……。嘘だろ?あんなふざけた野郎のせいであいつが死ぬなんて…。あの野郎殺す…!


バン!


な…!?オットー、何…しや…る…。


『悪いッス。俺はアンタを死なせられないッスよ。サップのことは残念スけど…これからは俺と頑張りましょうッス!』


「勝手に殺してんじゃねえ…。噛みつくぞ?あとお前、俺のこと嫌いだろ?」


『あの魔法で生き延びてるッスとは…。実は最初からそこら辺に隠れてたんスか!?ちゃんと探索しろッス!』


「黙れ。法螺吹き死神。…あの魔法はしっかり喰らったさ…。ただ、スキルのお陰で生き延びたんだよ。」


スキル、か?あのとんでもない威力の魔法から生還したところを見ると、魔法の無効化か?いや…それとも瞬間移動か?…館に帰ったら聞いてみるかな。


「くそ死神のせいで首が痛い…。サップ背負ってくれ、館に今日は帰る…。…オットーは罰として風呂の薪拾って戻れ。」


『マジッスか!?…でも仕方ないッスね…。スカム、殴ってごめんッス。』


「今後から、俺に対して様付けと敬語を義務づける。…語尾はつけてもいいが。それで不問にしてやる…。ということで薪拾いは任せたぞ。」


『了解…』


ギロッ!


『…しましたッス。スカム様。』


ひひひ…。一種の快感を覚えるな♪サップの方も呼ばせるべきだな…。誰が上なのかはしっかり覚えさせた方がいいだろうしな。オットーの知り合いの女共は対等に扱うか…。関係が拗れて復讐に影響が出るのも効率が悪いだろうしな。


「…帰るぞ、館へ。」


「はいはい。了解したぜ、我が主。…オットーだけじゃ不満って顔してたからな…。満足したか俺の主様は?」


「…上出来だ。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ふう…着いたぜ?しかし…なかなか濃い1日だったな…。ん?なんだスカム?なんか言いたそうな顔して…?」


「お前のスキル…いやステータスって見せること出来るか?」


「ん?いいぞ?…俺達は前に契約しただろ?それのお陰でお互いのステータスを任意で見せあえるんだ。……ほらよ!」


***********


サップ・ライアー LV18

生命力:∞

魔力:382

筋力:76

体力:55

敏捷:55

器用さ:31

賢さ:24

精神:38


【属性】火・無


スキル

執念騎士(リスポーン・ナイト)


***********


リスポーン…だと?ってことはもしかしてこいつ、あのときの魔法はホントに喰らったのか!?…その後すぐに復活したわけか…。それで体力が無限ということか。


「お前、無敵なんじゃないのか?なんたって体力無限なんだし。」


「ところが、これは飽くまで俺自身…つまり幽体でのステータスだ。何かに憑依してないと物質に干渉出来ないからな、俺は。それにこのスキルだって死ぬことが前提で発動だったみたいだしな…。」


成る程な…。流石にそこまで万能な能力ではないか。ただ、探索にはうってつけのスキルだな。何せ死なないのだから…多少、無理も効くからな。…俺は、出来れば強要したくないものだがな…。


『…す、スカム様…。只今、帰りましたッス。たくさん採ってきましたッス!』

「沸かせ。」


『…了解しましたッス。あと、終わったら俺っちとも契約してくれないッスか?』


…確か契約すると、ステータスが見せ合えるのだったな?部下の状況を把握しといた方が得策かもしれんし…。よし!


「いいだろう。但し、契約は俺を優位にすることだ。」


『分かっておりますッス!余計なことをして、そこの駄犬…ではなく、忠犬に殺されるようなことがないようにしたいッスから。』


「分かったから、さっさと沸かしてこい。それと俺の下でのお前らの立場は、同等だから、仲良くするようにしてくれ。最悪、俺が死んだ時…お前らに俺の復讐を継いでもらうかもしれないからな。」


-------------------------------------------


グツグツ…


「沸けましたッス。スカム様。」


「ご苦労。毎日この時間に沸かせよ?」


さて風呂に入りながら、今日のことでも振り返るか…。日中、例の砦へと向かいながらオットーに森の案内をしてもらい、昼過ぎくらいには着いたな。その後はあの日本人?の暴挙だ…。S2ランクと言っていたが、だとしたら相当の腕前だ。森に出掛けた時に会いたくはないな…。そして、サップの背中に乗って先程帰ってきたわけなんだが……結局、何も収穫はなかったか。まぁ、いいだろう…明日に持ち越すことにしよう。

突如、スカム達の前に表れた謎の男ですが、少しネタバレですが……

本編の【自由人達の冒険者業】に登場している人物の一人です。度々本編とリンクするので分かりにくい部分があるかもしれません。



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