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悪人達の日常  作者: 安雄
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潜伏生活開始!

長らくお待たせしたかなと思います。久しぶりの投稿です。

…リアルで結構立て込んでいました。

『ここが俺の家ッス!少しボロいッスけど、なかなか広くて住みやすいッスよ。』


あの湿っぽい地下水路を再び抜けてきて、森を進んでいった先には古い館があった。全体的に苔が生えており壁も所々剥げていたり、崩れていたりしている…


「おいおい…これ魔物か下手すりゃ盗賊のすみかになってんだろ…。お前だけだろ?住めるのは。それに町からも近いから見つかるリスクも高いだろ…」


『ちゃんと住めるッスよ。それに見つかる心配もないッス!…だってこの場所、人間は俺っちが招待しないかぎり入れないッスから♪』


「何いってんだ?この死神。スカムも何か言ってやれ!…スカム?」


入れない…と断言するからには何かこの館にはあるんだろうな…。そういえば、水路を出てから、魔物に何回か遭遇して…ある一定の時から全く出会っていなかったな…。ということはだ…ここには多分だが…


「結界か…。しかも勘づかれないに加え効力が半永久的なやつか?」


『ご名答ッス♪この結界は俺の曾祖父が創り、空気中の魔力を取り込み維持しているッス!それに加え森に入った人間や害意をもった何かが来ても、ここを無意識のうちに避けて通るッス!だから絶対安全地帯ッス。』


曾祖父って確か、ひいじいさんと意味一緒だったよな?その時の結界が未だに残ってるのは凄いな…。


「お前のひいじいちゃん…何者なんだよ?お前もそう思わねえか?」


俺に同意を求めなくても凄いことは分かるだろ…サップ。確かに、相当実力をもった死神だったのかもな。


『そりゃそうッス…だってひいじいちゃん……魔王ッスから♪』


「「は?」」


『俺っちの曾祖父の職業、魔王だったんすよ。因みにこれ別荘ッス。』


はあぁぁぁぁぁぁ!?ってことはこいつ魔王の子孫かよ!?それに別荘か…。当時はここに町がなかったのか、それとも…ここいらまで進攻していたのか、どちらかだろうな。


『まぁ3代目勇者に滅ぼされたッスけどね。更に言うとそれから、死神や吸血鬼などの人型の魔物…所謂、魔族は4、5代目の勇者のときに、かなり駆逐され、もう魔族も今や1年に1、2回現れるくらいの数ッス。…だから町で魂抜いちゃったッスけど、多分今頃大騒ぎッスね。』


まてまて…大騒ぎってことは!?俺ら相当ヤバイんじゃ!


『暫くは潜伏するしかないッスね。丁度いい機会ッスから軽く館を改装するッス。少し見た目をよくしないッスと思うんすけどね…どう思いますッスか?』


「その崩れてる壁は直した方がいいかもな。それにみたかぎり浴室のようだし…お前も衛生的にそこら辺は直した方がいいと思うよな?スカム。」


「ここは、オットー…お前を信じて潜伏することにしよう…あと浴室の件だが、俺は風呂の方が良いんだが…見たところ蛇口から浴びるタイプの様だからな。」


俺は日本にいる頃は、サバゲーとかに積極的に参加したり完徹でFPSしたりしてシャワーばっかりだったものの…日本人としてはやっぱり風呂は欠かせないし恋しくもなるんだよな。


「フロ…か?」


『…何ッスか?それ。』


「…成程。未知の文化か…それか知られていないだけかもしれないが…簡単に説明するとだな…」


俺は、二人に風呂の構造や使い方…何よりも素晴らしさを語った。元日本人として大いに語った…あの一日の疲れを落とし、入ると思わず深くため息をするほど心地よく…かつ健康にも良く風呂から上がった後も心地いい時間が続く…と。そしたら…やつらが…


「…おい♪早く作ってみようぜ!そして早くはいってみてぇぇぇぇぇ!」


『…楽しみッスね~♪そんなに興奮して話すなんて余程、素晴らしい物なんすね!設計図を何となくでいいから描いてみてくれッス!』


「あ、ああ…。」


少し興奮しすぎたか…。すっかりあいつらやる気になってやがる…。下手すりゃあいつら飯も食わないで作るんじゃないのか…?


~~~~~~~~~~~~~~~~


駄目だ…形は我ながら上手く描けたが…材質までは、気が回らなかったな…。何となくと言っていたから、どういう素材かだけでも書いておくか…。


「大体こんな感じだ。」


『なるほど…全体的にスチルで作られていて、外部の窯で薪を燃やして、煙突も併設し…そして内部の湯の温度を調整する…ってことッスか…。画期的ッスね~ちなみに名前とかあったりするんじゃ?』


「ああ、俺の国ではゴエモン風呂と呼ばれていたんだ。元々は処刑道具だったらしいがな…。」


確か…そうだよな?秀吉によって釜茹でにされたんじゃなかったか?…由来なんて今更どうでもいいな…。


「よし!サップお前は斧に憑依して薪を生産してくれ。オットーは風呂釜の制作を頼んだ。俺は…壁を修理する。」


『あと、いい忘れたから言っておくッスけど同居人が二人いるッスから。会うのを楽しみにしてるといいッス。』


「ほう…性別は?もしかして…両方女か!?」


お前は何をそんな興奮してんだ…サップ…お前悪霊じゃなかったのか…?それとも見てるだけで幸福とかいうやつか?


『二人共、おっしゃる通り女性ッス♪一人は…規格外の強さの人でよく放浪してるんッスよ♪……もう一人のお方はその…何というか…?本人曰く可憐で清楚なおとめ…ッス…。』


「可憐で清楚な乙女か♪ひひっ!楽しみだなァ~。生きていた頃は、見る目がないやつばかりで碌に女と触れあったことがねーから…なんかドキドキしてきたな…ひひっ♪」


口には絶対に出さないが…気持ち悪!お前、死んで悪霊になってるのになんでそんなに欲望まみれなんだ!?まぁ、人間の雌に欲情しないだけマシか…。それに可憐で清楚な乙女…ね?そんな奴がこのボロくて汚ねぇ館で住めるわけねえだろうから、多分…オットーの様子からみても少し誇張してんな。ふっ…実際に対面した時のサップのリアクションでも楽しみにしとくか♪


『二人とも王都で用事を終えたら帰ってくるらしいッスから、会えるのは当分先になるッスけど。』


あと疑問に思ったんだが…こいつの館に住んでるってことは二人とも人外だよな?それで…清楚?とても信じられんな。

考えても仕方ないから、さっさと作業に移ろう…。


~~~~~~~~~~~~~~~~~


『う~ん…難しいッス。えっとこれをこうして…』


オットーも大分、苦戦中のようだな…。俺は手先が器用な方だが、鉄の加工やらはド素人だから下手に手を出すと作業効率低下に繋がるから…やめておこう。


「それより、この崩れた箇所は致命的だな…。下手に直して事態を悪化させるより…他の場所を掃除して見栄えをよくさせるか…。」


予想以上に事態は深刻だったみたいだった。床が所々腐っているし、何より、内装も大分、吹っ飛んでいるみたいだ。何か魔法でもぶっ放したのか?


『お?これはいい出来になったッス!スカム一回見てくれッス!』


「んあ?…分かった。」


一旦思考を中断し、オットーの方向へ振り向くと…見事に、風呂が出来上がっていた。…でも何かが足りない気が…?煙突あるし、竈もある。ちゃんと下から熱することが出来る造りになってるから、単に気のせいか…。


「よし…水を入れてちゃんと入れるかどうか実験だ…。サップ薪を持ってこい。火は俺が点けてやる。」


「了解っと…ほら!こんなもんでいいか?」


サップが切った薪を数本竈にぶちこみ、簡単な呪文を唱え点火した。水も大体、総量の半分程しか入れてないため、この分だと少し待てば沸くだろう…。


『…スカムって不思議ッスよね…。見たところまだ若いのにこんなアイデアも出るし、何よりどこか落ち着いているッス。』


「不思議がられることをした覚えはないな。それに落ち着いてるんじゃない。人間に絶望しただけだ…。下らないルールに縛られている屑な種族にな?…。だが…俺もその屑種族だ。だから名前を、スカムと名乗ったんだ。…アイデアに関しても俺の元いた場所…こことは別の世界の人間の発想だ。」


「俺はお前がなんだろうとついてくぜ?それに人間が屑ってのもイカした意見だよ…。元人間の俺がいうのもおかしいけどよ…。」


何せ、人間なんて細かいことに拘り、気に入らないと相手を殺すような連中だ…とてもじゃないが、これから先、一生信じる気にはならん。。だが、ここにいるサップは俺と契約を結んでくれたり、オットーも俺が上から命令しても、笑顔で言うことを聞いてくれる。何よりさっき俺があいつらを置いて逃げた時も笑って許してくれたからな。人間なんかより人外の方が信頼出来るし、どこかのアホ共とは大違いだ。


「お!沸いたみたいだな?…そうだな。サップ…薪割りの報酬だ。一番に入れ。ただし…縁に手を触れるなよ?熱いから」


名目上は、報酬と労うが単なる実験という目的だ。何か起こったら欠陥を直したら良いし、起きなかったらあいつにとっての苦労の報酬になるしな?


「この狼の体も綺麗にしたかったから丁度良い。じゃあ…」


こいつ梯子の時も思ったが二足歩行出来るだろ!?絶対…片足を上げてそっと入っていった。…どうやら成功のよう……「ぎゃあああああ!!熱ぃぃぃぃ!」…じゃないな…。何か間違ったか?


『俺、思ったんスけど…これ底の方むっちゃ熱いじゃないんスか?だって直火ッスよ?』


「あ…蓋忘れてた!普段は冷めないようにして、いざ使うときには蓋を足場にして座るんだったんだが…。忘れてた、すまんサップ。」


「勘弁してくれ…全く。すぐ直せ!そしたらまた俺入るから!異論は許さん。」


やれやれ我が儘な奴だよ…。俺も人からみたら単なる自己中だったのかも知れないが…。


「夜までに全てやることをやるぞ…。そのあとが飯だ。」

「了解。(だ・ッス)」


そうして風呂を造りなおすオットーとサップ、壁の穴を塞ぐ俺とで分かれて作業を行った。夜まではいかず夕暮れ時には全ての作業を終わらせることができ、サップが風呂に再度入った後、いよいよ夕飯となったんだが…


「まずいな…。味がしなさすぎる…。」


『まずいッス。芋がまだ固いスけど、仕方ないから頑張って食べるッスよ…。』


「人生でこれほどマズイスープは食ったことねえよ…って俺?死んでたわ♪」


苦労した割には、食事はひどい有り様な三人だった…。


オットーは設定は凝っていますが、本人はそんなに強くありません。ただ、素質があるだけで実力はありません。


…もしかしたら、この先もっと長く投稿できなくなったりしてしまうかも知れませんが、そこらは許して下さいね…(汗)

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