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悪人達の日常  作者: 安雄
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新たな力

クリーフ村に調査に行った3人が、戦闘とかしている間の拠点組の話。

スカムの戦闘能力がどうしてもやっぱり低いので、

それを補おうとしていく話。

サップとナゴ、それにオットーがクリーフ村の調査に行って数十分後、スカムは相変わらず屋敷の地下の書類整理部屋にて捕虜から聞き取った情報をまとめて、自身の今後の魔術や作戦、内政についてを考えていた。

いつも通りなら夕方までひたすらに考えているのだが、

捕虜からの情報もめぼしいものが取れなくなってきており、煮詰まっているのも事実あった。


なので気分転換に迷宮の中を散策することにした。

以前迷宮は地下2階まで作っていたが、ナゴによる魔力タンクからの魔力を絞る方法や日々蓄えているナゴの魔力を毎日、空の魔石の中にこめていて、スカム自身も夜寝る前に込めていた。

そうしたこともあって、現在は広めな地下3階が作られていた。

地下であるが擬似的に空が模されており、小高い丘も形成されていた。


「アンデッドやらスケルトンやらを作ってはいるが、俺自身既存の魔術以外にも、せっかく闇属性があるんだからそれを用いた自衛手段を考えなければな…。」


ナゴの話によれば、警備隊長…ローの奴は雷属性の魔力を用いて身体強化を行っていたと聞く。

ならば俺も闇属性の魔力を意識して、身体強化に似た何かをやってみたい。手始めに右手に魔力を集中させるも、思うようにいかず逆に筋肉に負荷がかかり、筋肉痛になりそうな感じがしてくる。


「やはり…難しいか?」


一旦、身体の力を抜くと、ふと視界の端で何かが動いた?落ちた?のが見えた。

なんだと思い、また右手に魔力を込める。見た感じでは何も違和感がないように感じられるが…?


ふと足元を見ると、


「は…?か、影が浮いてる…!?」


擬似的ながらも空を作っている影響か、太陽(無属性魔力の塊)に照らされて、スカムの右手に影が出来ていた。その右手部分の影のみ僅かではあるが浮いていた。


物は試しと今度は全身に闇属性の魔力を纏うように展開してみると、スカムの背後にあった影の輪郭がピクピク動いている。


「なかなかに実用するのは難そうだが…。そうか、闇属性はこういった使い方もできるんだな。」


そこから色々と試行錯誤してみると、分かったことは魔力をなかなかに消費するということ。戦闘で用いる場合はもっと自分自身の魔力量を増やすのもそうだが、発動のオンオフの切り替えを迅速にしなければあっという間に魔力が枯渇してしまうだろう。

魔力を込めるのをやめれば影は地面に落ちる?ように元の影に戻る。

肩の高さぐらいに極細ながらも影の触手を作れたが、それの魔力操作がやはり慣れない。魔力を込めるのをやめると空中で霧散して元の影に戻っていた。


「ふぅ…。これぐらいにするか。なかなかに魔力を使ったな…。今日の魔力補充は中止にするとして…いい運動にはなったな。それに自分なりにやり方をまとめておくか…。」


そうして俺は、書類整理部屋…自分でいうのもなんだが長ったらしいな。今度から書斎というか。

書斎に戻るために、上に行くための通路を歩いていく。

前にナゴが言っていたが、階層が自由に行き来できるようにする為の術式も組もうと思えば組めるらしい。

ただそれなりに魔力はかかる上、現状コストに見合わないものだろうとの事であり、俺もそんな余裕があったら新しく階層を(つく)る為の魔力貯蔵をした方が効率的だ。

それなので、その話はパスした訳だが…こうして書斎に戻るために歩いていると、普段運動してないせいかだるいな。

自分で(つく)っておいてだが、階層の広さは割と広いし、上に行くための階段は大体端にある為、端から端まで歩かないと行けない。今度ナゴに言って階段の場所を付け替えてみるかな…。


「ん?なんだゴブリンか。第3階層の用途については現状フリーにしていた筈なんだが。ナゴかマリーが何かしら命じたのか…?まぁ、いい。ここは開拓しなくていいから上に戻れ。」


やっと第二階層に繋がる階段の前あたりに来たと思ったら、ゴブリンが8体階段の前でたむろしていた。

現状、このフロアは魔術やらスキルの実験場や模擬戦などに使っており、明確な用途は検討中だ。だからゴブリンを派遣させた覚えもない。

俺が上に戻るように命令するが、ゴブリン達は動く様子もなく、それどころか俺に向かって、棍棒やら短剣を向けてくる。


「おい…?なんだ?まさか俺に歯向かう気か?」


「ギャーーース!」


短剣を投げてきたので、横に飛び退いて避ける。

避けた直後に近づいてきていた他のゴブリンが、俺の腹を棍棒で突き、さらに短剣で右足を刺された。


「クソが…!!魔力よ、翔んで奴を射殺せ!

『ライト・アロー』!!」


無属性の魔力の矢を今、攻撃してきたゴブリン2匹の胴体にぶち込む。


「げほっ…!カス共が焼け死ね…!

『フレイム』!!」


さらに追撃として、前方にいるゴブリン共をまとめて炎で焼いていく。棍棒で突かれたのもだいぶきたが、それよりも足を刺されたのは痛てぇ。こいつらが使ってるのは刃がボロボロで、ギザギザしてる分痛てぇ。

しかも刺されてすぐに抜いたもんだから出血もそれなりにある。


ゴブリンたちの様子を窺うと、炎で苦しんでると思いきや、炎を食らっていたのは1匹のみで他のゴブリンは1匹を盾にするように魔力でバリアを作って、防いでいた。

俺が矢をぶち込んだゴブリン達も、ムクっと起きあがり、近くにあったお互いの武器を手に取って、緑の血を腹から流しながらも俺に再び攻撃するべく警戒していた。


「なるほどな…。ゴブリンメイジが産まれたか。それに他のゴブリンも能力が高い個体ってことか。」


仕方ない…。こうなりゃ早速実戦となるが使ってみるか。ホントは使いたくなかったが、自分自身魔力切れで疲れて帰れなくなった場合を考えて、魔力補給用の魔石は携帯していた。そうして先程の影の魔術の実験で使った魔力を回復すべく魔石を握る。

俺が魔力を回復する為の行動を見たゴブリンは、すぐさま俺に対して攻撃を加えてくる。


そうして棍棒を持った個体は、俺の影によって縦半分に切り裂かれる。極細の触手ながらも切れ味はあるようで、ぶっつけ本番ではあったが敵を切り裂いてくれた。

短剣を持った個体は、すぐさま飛び退いて逃げたが、触手によって左肩を切り落とされていた。

放っておいても死ぬだろうが、念の為に先程の魔力の矢で頭をぶち抜いて殺しておく。


残り5体か。魔力が回復したとはいえ、ゴブリンの上位タイプ相手が複数いるから、勝てはするだろうが俺も更に負傷するかもしれないな…。考えていても仕方がねぇから、さっさと殺るか。


そうして手頃な魔術を詠唱しようとしたところ…。


「オラァァァァ!何してんのよぉぉぉ!!」


突如、階段からマリーが出現して階段に対して背中を向けていたゴブリンはマリーの剛腕によって、ミンチになった。2本の腕でゴブリン2体の頭を地面に叩きつけ、もう2本の腕で咄嗟に反応したゴブリン2体からの攻撃を防御していた。


マリーに気が向いているうちを狙って、マリーに攻撃したゴブリン2体に向けて、炎の魔力の矢を放ち、首元に当てて的確に燃やす。頭はなんだかんだで外れることがあるから狙うなら首元だな。


残るはゴブリンメイジ一体な訳だが、そこはマリーが思い切り張り手をすることで気絶させていた。

張り手と言っても骨が折れる音に加えて顔から出血するほどの凄まじい威力だ。

マリーが何故か持っていた縄で、ゴブリンメイジの身体を縛ると、そのまま持ち運んでいく。


「マリー、担いでくれ。不覚をとった。」


「ムーちゃん!ケガしてるじゃないの!?大丈夫ー?

ほーら、わたしの肩に乗って頂戴。」


マリーの肩に乗って、上の階層に行く。天井に関しては熊を連れていくこともあるかもしれないと思い、念の為高く作っておいたので、俺がマリーの肩に乗っても頭をぶつける心配はない。


そうして第二階層に行くと、数十体のゴブリン達が縄で縛られて無造作に地面に横にされていた。


「どうやらねぇ、ここの魔力やら食材が良いのもあるし、住環境も良かったから能力が高い個体やメイジのような魔術が使える上位個体も産まれたようなの。それで反乱を企てたみたいね。能力が高い個体の子たちの7割が参加して、一部の従来からいた個体も便乗したみたい。もちろん逆らわなかった子もいたけど、そういう子は殺されたりして経験値にされたみたい。」


ゴブリンたちの住処に戦闘の跡があり、周辺も緑色の血が随所に見られた。

ゴブリン達の死体も少なからずあり、頭が粉砕しているものや全身ぐちゃぐちゃになっているものもいた。


「あー、あれはね。サプサプのコウモリちゃん達が殺ってくれたのよ。わたしの元にコウモリちゃん達が飛び込んできた時は何事かと思ったけど、ゴブリンの耳をくわえていたから何かしら起きたのだとすぐに思ったのよ〜。」


マリー曰く、現場に辿り着いてみれば、コウモリ達とゴブリンによる戦闘が始まっていたが、戦力差は歴然でコウモリ達の一撃離脱戦法(ヒットアンドアウェイ)により、ゴブリンは攻撃出来ないまま、いたぶられていたようだった。

小間使いの女…ラベルが俺の帰りが遅かったので、水やらを持って行こうと第二階層を歩いていたら、いきなり襲われたようだ。咄嗟にスキルを使って煙幕?を焚いたようで目くらましをした後はすぐに自分の聖魔力を使って結界を張ったそうだ。それによりゴブリン達は攻撃できず、そのまま叩かれ続けていたが、巡回していたコウモリによって、異変を察知されて…そこからは仲間を呼んだコウモリや伝令としてマリーの元に行った奴などのそうした働きによって、マリーが到着したら残っていたゴブリンがやけくそになったのかマリーに向かってきたようだが返り討ちにされたとの事。


「まぁ、とりあえずこいつらはここで殺してもいいが…今後の見せしめに牢屋に入れておくか。ナゴとサップが帰ってきたら対処を考えさせよう。

あいつらそういうの得意だろ。」


「いい発想だと思うわ〜。じゃあ後のことはやっておくから、サプサプはゆっくり休んで!」


部屋に帰って休む前に書斎で今日の魔術の成果を記さないといけないから、書斎に戻ろうと歩を進めると、小間使いの女が話しかけてくる。


「スカム様!もしよろしければ私に御足の治療をさせて頂きたいです。」


俺は小間使いの女…ラベルを睨む。俺に対して治療を申し出ている女は、俺に対して平伏している。

まぁ敵意はなさそうだし、いいだろう。


「構わん。やってくれ。」


「はい。失礼致します!」


ラベルが俺の右足に両手をかざすと眩しい光ともに癒し?の魔術がかかっているようで傷口が癒えていく。

だが…クソほど痛え!!


「おい…わざと痛くしてるのか?」


「え?多少なりとも痛いのは事実ありますが、そ、そこまで苦悶するほどではないはずですが…。

私の拙い技術のせいかもしれません…。」


まぁ実際、右足の傷が治ってるのは事実ある。

流れ出た血液については、肉類を食べる等して栄養を補えってことらしい。ラベルは使うことができないが、失った血液を補填する為の術もあるにはあるらしい。


ないものねだりをしても仕方が無いので、ある程度治癒してもらった後は、書斎へと戻る。

治す前に比べると足の運びが違う。思えば俺の配下はどいつもこいつも戦闘タイプが多かったな…。マリーは任務にはあまり出ないで料理ばかりしてるが、先程俺を助けに来た時の様子を見るに戦闘タイプだ。


「ふむ…。まぁ、支援に徹してくれるのはだいぶ助かるな。その分他に気が回せるからな。」


書斎に到着すると、今日行った闇の魔術…影魔術とでも名付けるか。影魔術について魔力の操作や影の動かし方

と思わぬ実戦になったが、極細の影の触手による戦闘、今後に生かすポイントなどを羊皮紙に書き込んでいく。


その後、夕暮れに差し掛かった頃にサップの使い魔であるフォズが3人が帰ってきたらしいことを伝えに書斎に来たので、出迎えるついでに夕食にすることにした。

この話自体はだいぶ前に書き終えてたけど、もう数ヶ月レベルで投稿忘れてた。なんか書きたそうかなとか思っていたり、普通に忙しかったのもあって忘れてた。

久しぶりに小説書くとステータスの割り振りとかめんどくさく感じてしまったり…。まぁ高校の時考えた設定だし、全部ステータスなくして話を構築し直すのも大変だからもうこのまま行きます。

…スキル名とか、説明考えるのは…すごい好きです。


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