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悪人達の日常  作者: 安雄
31/37

ポロローズ②

ナゴさんメインの話。

まぁ、詳しくは読んでくださいってなるけど、

戦闘回です。


あれからゴブリン達に運ばれてきて、森に面してる外壁の側まで来ることが出来た。

僕は外壁の方に意識を集中すると、確かに外壁の上の方に細い魔力の糸のようなものが張り巡らされていた。

これを作った人はだいぶ切れ者のようだ。さっきはよく聞けなかったけど、無事にリー君を回収したらサップ君にそこら辺よく聞いてみようかな。


「そろそろ映像がぶれ始める時間かな…。なんだかんだ騎士の警らを潜りながら、ここまで来たからだいぶタイムロスをしちゃったなー。着いて早々で悪いけど、回収したらゴブリン達にはまた来た道を戻ってもらわないと。」


そうしてリー君が外壁の上を飛び越えようとしてくるのが見えた。案の定、ビリビリしているのが見えてそのまま落下してくる。僕はゴブリン達に指示を出して、リー君をキャッチしてもらうとする。


ーその瞬間、リー君の身体が細切れになった。

次いで下にいたゴブリンたちは突如飛んできた風の刃によって同じく細切れとなった。


「ちっ!敵襲か!」


「当たりだ。スライム野郎。いや、喋るスライムなんて聞いたことがねぇから魔族か?」


直ぐにスライム形態のまま近くの木の幹に触手を伸ばして、その場から離脱する。

さっきまで俺がいた場所は局所的な小さな竜巻に大きく抉れていた。


「…正体不明のスライムってのはお前か。まぁ親分が出てきてくれて大助かりだ。町中にいた木っ端の方は駆除できてるしな。」


「…僕のかわいい分身をやったのは君か。警備隊長さん?」


「お?俺を知っていてくれて何よりだ。」


ホントだったらリー君に偵察してもらう以前に、僕の分身させたスライムに意識共有して偵察をするはずが…全く感知が出来なくなってたんだよなぁ…。

スカム君には分身を派遣しているから偵察が出来るはずと言う予定だったのに、言おうと思って確認したらこの始末。

スカム君にはその時怪訝な顔をされて、僕の勘違いだったってことで若干悪態をつかれたけど…。


「まぁ、可愛い分身の仇を取らないとね!

とりあえず吹き飛ぼうか!」


そうして幹にぶら下がっている間に木の根を通して警備隊長の足元まで水を操作して、一気に魔力を集中して間欠泉のように水を噴き上げる。

ラベルちゃんには感謝しないとねー。戦闘用に魔力をたんまり使えるからね!


「ん?そんなわかりきった攻撃効くかよ。」


警備隊長は僕の水の噴射が来る前に、大きく後ろに下がる。

そして風の膜で自身を覆って、万が一にも水に触れないようにしていた。


「なぁるほど。水系の魔術ねー。まぁ、どんなことがあるか分からないから防いでおくか。」


(おかしいな?どういうことだ?完全に意識外から攻撃した筈だ。地面からの攻撃だからまず避けるなんてことはできないはずなんだが…?細かな振動を察知されたのか?なら魔力操作を誤ったか…。それならば…)


僕はいつものように触手での攻撃に切り替えることにする。

いつもは不意をつく形だから、そんなに出さないけど今回はもう接敵してるし、こうなったら仕方ない。

触手を大きなものは2つ。小さなものは30本近く出して一斉に警備隊長…ローへと襲いかからせる。


「はてさてどうしたもんか…。とりあえず風の鎧は継続だ。」


風の膜を纏ったまま、触手に斬りかかってくる。

剣速は凄まじく触手が20本一気に切り落とされる。だが触手は再生可能かつ遠隔操作が可能だ。斬られた触手で背後をとって電流を流すため再び伸ばすと、


「見え見えだよっと!この触手は厄介だな…。本来の使い方とは異なるが、ものは使いようだ!」


触手を20本同時に後方から展開させたのに、まるで後ろに目があるかのように避けられてしまう。そして手錠を取り出して20本の触手を留めるように手錠をかけた。

分離した触手に魔力が通せなくなるのがすぐに分かる。

魔力遮断するための魔道具だろう。


「お?動かなくなったな。読み通りかー!うんうん。

俺ってばやるもんだ。ははっ♪」


こっちの触手は大きな触手が2本、小さな触手が10本。

おそらく何らかの魔力感知スキルが彼にはあるのだろう。


(とにかく攻撃し続けることが鍵だろう。手錠の数にも限りがあるはずだ。)


新たに触手を生やして、ローへと襲いかからせる。

それらを避けながら切り落とし、ローは手錠で留めていく。

風魔術によって大きな触手も斬り落とされて、手錠で留めて行くが、僕の意図に気づいたのか大きな触手2本を最後に手錠を留めることはなくなり、触手を斬っては避けることを繰り返すようになる。

そして細切れにされた触手4本がローの身体へと触れたことを確信した僕はすぐに雷魔法を炸裂させる。


「やっとこさ来た!『感電(パラライズ)』!!」


ローへそれなりに魔力を込めた電撃を食らわす。

これでお陀仏…とはいかないが、戦闘不能にはなるだろう。


「痛てぇな…!だがこんなもんか…!

風よ…圧縮しろぉぉぉ!『空気(エアー)圧縮(コンプレッサー)』!!!」


電撃発動後、1秒も経たずに距離を詰めたローによって、ナゴの身体は風魔術を喰らってしまう。

ナゴの身体は風の膜に覆われるも、それらが瞬時にナゴの身体を押し潰し、圧縮を始める。すぐに身体を膨張させ抵抗を図る。


「まだだぁぁ!風よ…渦巻け!『トルネード』!!」


圧縮中の風に対して更に、ナゴのスライムの中心部分に向かって、先程よりも小型だが高回転の竜巻が出現してナゴを削り取っていく。竜巻に意識を持ってかれながらも圧縮にも抵抗していく。

数分間風の魔術は行使されて、風の勢いが弱まる頃にはナゴの身体は弾け飛んでいた。地面に水たまりが出来ており、ラベルから搾り取っていた魔石を核としていたが、それも砕け散っていた。


「ふぅ…。魔力ポーションで魔力を回復してっと。

…いつ飲んでもまじぃ!魔力の流れもないし、これは大丈夫か…うわっと!」


水溜まりから凄まじい速度でローの体内に侵入する。


(はぁっはぁ…!これで魔力を搾り取ってやる!)


いつものように魔力の急速吸収を行おうとするも、魔力吸収が思いのほか上手くいかない。魔力を全て吸収し追える前にナゴは不思議な感覚を覚える。自分のものでは無い雷の魔術反応。そして胃の異物を吐き出す動きを検知する。


「う…うおぉぉぉぇぇぇぇ!!」


ローはすぐさまナゴを吐き出す。生命力を魔力への強制変換が行われる前に吐き出すことが出来た上、更に魔力も奪われきっていなかった。後ろに大きく後退すると同時に、すぐさま再び魔力ポーションを(あお)って魔力を回復させる。


「…雷属性か。僕と違って先天性の雷魔術持ちか。今のは生体電気を活性化させて吐き出したんだな…。」


そうなると機敏な動きや反応速度にも納得する。風の魔術もそうだが常に併用していたんだろう。魔術の同時行使は制御が難しく、この男はかなりの実力者であると改めてナゴは目の前の男を見て感じ取る。


口に潜り込むのも見破られたとなると、同じ手は使えず、触手攻撃も雷属性相手だと分が悪い。

先程の触手攻撃が大したダメージになってないのも、雷属性だからダメージがせいぜい相手の…外部魔力を通されたことによるダメージだけだからだ。

だからこそすぐに距離を詰めて反撃することが可能だった。


「こうなったら奥の手だ。(スカム)にも見せたことの無いけど…《湖龍変化(クエレブレ)》!!!」


ナゴは水溜まりのような姿から一転して、水蒸気を思い切り噴き出すと、森の木々を少し超えるくらいの龍へと姿を変える。本来であればもっとでかいのだが、全盛期では無い上に戦闘で魔力を消費、加えてラベルによる魔石ブーストも砕け散ったので、自身の全力を発揮した結果こうなった。


「でっかぁぁい…。まぁやるしかないか…。」


ローは今まで持っていた剣を片手から両手に持ちかえる。

そうして龍形態へとフォルムチェンジしたナゴと戦闘を始める。

ナゴは龍になっても触手及び水流を展開可能で、触手は先端を尖らせて攻撃していた。水流は目眩し程度に使用していた。

ローは触手は斬っており、胴体に攻撃を喰らわそうにも鱗が固く攻撃を通さなかった。

一転、ナゴが有利になったと思いきや、ナゴは内心焦っていた。


(魔力消費が速い…。このままだとこの姿でいられるのはもって数分だ…。撤退しないと)


500年近くぶりに、フォルムチェンジしたはいいものの、魔力消費が早く被弾覚悟で退却しようとしていた。

あちらの攻撃が通っていないうちに、スライム形態へ戻って退却しようとする。


「逃がすかよっと!」


背を向けたその時にローによって尻尾に切れ込みを入れられる。その瞬間、魔力消費が著しく大きくなり龍の姿は維持できなくなりその身体は全て水へと変わり、あたりは水浸しになる。龍の口から出る予定だったナゴはスライム形態のまま宙に放り出される。地面に落下したナゴにさらなる追撃が加わる。


「教会特製の魔物討伐アイテムを喰らえ!それに加えて

風よ!圧縮しろ!『空気(エアー)圧縮(コンプレッサー)』」


ローが投げたのは教会の聖女が魔力を注ぎ込んで作成した特注の聖水であり、それをナゴの身体の中へと入れる。

そのまま空気圧縮魔術が発動し、聖水の瓶が壊れてナゴの身体中に聖水が浸透する。


(あ………ヤバ……。)


意識が遠のき、更にローが竜巻を加えようとすぐに詠唱を開始しようとすると、ローの背後から斬り掛かるコボルトがローを攻撃する。


「ナゴ!逃げろ!」


「う……サップ君。助かった…」


「おっと…。危ない危ない…。仲間の増援か。」


コボルトに憑依したサップがギリギリで助けに入り、ナゴは身体を分散させて逃げる。サップはすぐにローへ追撃を食らわすが、ローは落雷を落としサップが憑依しているゴブリンを黒焦げにする。


「畜生が!ならお前をぶちまけるまでだ!」


ローに憑依して身体をぶちまけさせようとするが、ローは何処吹く風だ。

なら以前やったみたいに魔術を唱えて内部から燃やしてやる。

だが…不発だった。魔力減った感じはするのにこいつには喰らってる感じがしない。


「無駄だ。お前の攻撃は効かないよ。さて、このまま教会に突き出すか…。」


すぐに憑依を解除する。


「どうなってんだちくしょう。」


「まぁ、霊体にも電気は効くだろう。さっきのスライムもまだ遠くに行ってないみたいだし、とりあえずサヨナラ〜。

雷よ、目の前の奴を消し飛ばせ『エレキボール』!」


デカい雷の球を食らったと同時に意識が途絶えるサップ。

不幸中の幸いなのかサップは《執念騎士(リスポーン・ナイト)》のスキルがあるので、一時的に吹っ飛んでもすぐにある程度離れた地点で復活できたのであった。


ローはスキルによって、その事にすぐ気づいたもののナゴの分散させたスライムを狩ることに忙しく、サップは最早相手にもしていなかったのでナゴの追跡をしていた。


「反応が消えた…。これはアレか。潰し尽くしたか…それとも近くに魔力を遮断させるアジトがあるのか…。もしくは魔力感知の範囲外に行ったか…。でもこの森を探索するのは骨が折れるな…。魔力探知にも限度があるし何よりこの森は旧ヴォルタ村まで続く大森林だから確かにアジトを作るには最適だよねぇ…。今日のところは諦めるかな。」


そうして追跡をやめて西門の警備へと戻って行ったロー。




命からがら戻ってきたローと1度消し飛ばされ霊体の姿だが黒焦げになっているサップを見て、スカム及びオットーは唖然とした。



「え…?あ、あいつそんなに強いの…?ナゴさんがこんなにされるなんて…。」


「マジかよ…。」


「……スカム君。ごめんね、リー君持ち帰れず。はぁ……。

ダメだ。今日は…もう…休む。」


そうしてナゴはゴブリンに命じて自分を迷宮内へと運んでもらうのであった。そこまで疲労困憊になったローを見て、

オットーは完全に恐怖していてスカムは今後の対策についてこれまで以上に真剣に悩むこととなった。

ローさん、町の警備隊長とは思えないくらいかな〜り強いです。訳アリ系なキャラって感じ。

本編の自由人の方でローさんの過去話を書こうかなって思うくらい、設定上では強いです。

なんだろな…剣術とかは中の上くらいの感じだけどスキルを使いこなすことによる強さって感じ。

詳しくは出しませんがローさんのスキルは

①『魔力検知+相手からの攻撃無効』(条件あり。)

②「状態異常無効」(静止状態に限る)

③「相手の消費魔力加速」

(両手で剣を持つ+剣での攻撃でしか効果発揮せず。)


の3つです。あとナゴさんと同じく雷属性持ち。

①のスキルは魔力検知は副次効果。本来はサップからの攻撃のように攻撃の完全無効化がメイン。

そうなるには条件があるのですが、それは…今後の話で書いてこうかな…。それこそ過去話とか


あ、あとサップは霊体で黒焦げになってますが、時間が経てば戻ります。やられた直後の状態が一定時間維持されるみたいな感じ?

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