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悪人達の日常  作者: 安雄
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ポロローズ

また小説熱が出てきたので、しばらくの間投稿しようと思います。

まぁ、改めて自分の小説を見返したら、沢山書いてるし放置するのも勿体ないとおもったり?したわけです。

ナゴから準備が整ったと連絡があり、スカムは簡素な作りのベッドから出てくる。スカムが普段寝ている部屋は館の1階にある幾分か壁の穴を修理した部屋…元々は使用人用の部屋であったところを寝室にしていた。一日の大半を迷宮内にある書類整理部屋で過ごすので、ただ寝るだけの部屋なのだが、それでも寝る前の読書はするようで簡素な本棚に初級魔術の魔術書が何冊かおいてあった。

館を出てくると、まだ朝日が昇ったばかりであり周囲はどこか薄暗かった。


「スカム君。起きたばっかりかな?」


「そんなことはない。捕虜数人から聞き取った魔術を整理していたところだ。待遇改善っていっても、せいぜい寝床に簡素な枕がつくだけなのに、魔術を教えるなんてな。浅はかなもんだ。」


「極限状態だと何がなんでも状況に変化が生まれるのなら、しがみつきたくなるもんさ。そんなことを考えるよりかは映像を見てみよう。リー君には既にポロローズ周辺に待機してもらってる。」


そうして氷を見てみると、リーの視界情報が映っておりポロローズの町が遠くに見えていた。

だがこの間ナゴと一緒に来た時と違い、なんだか様子がおかしい。具体的にいうと正門が綺麗すぎた。まるで襲撃なんてなかったみたいに。いくら修復したにしても綺麗すぎると思う。


「スカム。西側の様子は知っての通りだと思ったから、これは東門だ。ポロローズは王国東部の中では規模が大きい町だからな。東西に門があるんだよ。」


なるほどな。だが西門が倒壊したからなのか東門も大分警備が厳重だな…。町の警備兵が完全警戒で8〜10人待機している。

町の様子を探ろうにも町に入れないのではと思ったが、そこも偵察済みのようで外壁の崩れた箇所から侵入するようだ。


町の中に入ると人の往来は、やはり少ないようだが冒険者や騎士などの姿はあった。


「東側は果樹園とか…酒蔵がある地域でな。あと小麦畑もある。西と北は商業がメインだが…。元々はポロローズってのはこういう町並みだったみたいだぜ?あとから西側に商業区を作って…いつからかそれが町の中心となったみたいだ。」


「まぁ普段はそんなに警備の人間もいなさそうだね。君らが襲ったせいですごい警戒態勢になってるけど。」


「ふむ…。西側が商業区、東側が田園地帯か…。俺らが前に出たスラムも西側か?」


「ん?あれは…南側だな。西側から南にかけて商業区が広がってるんだが、東西で職にあぶれた奴らとか周辺地域から来た流れ者、冒険者崩れがスラムを形成したんだ。」


確か水路の入口自体は西側にあったはずだが、出口はスラムにあるのか。当然出口のことを考えていないはずはないだろう。となると日常的に衝突が起きてるのかもな。

もしスラムがもう少し整備されていれば、俺らの襲撃の時も被害が抑えられたと思う。


「北には何があるんだ?」


「領主の館だ。有事の際の住民の避難所とするためデカくつくってあるらしい。フィザラー伯爵っていうバリバリの武闘派が治めてるんだ。」


「ふむ…。避難所とやらを見に行ってみるか。」


リーへポロローズ北側への偵察を命じてもらう。

小麦畑や果樹園が視界の端に映るのを見ながら、明らかにどデカい建物が目に見えてくる。

地球で例えるなら、市民ホールといったところか。

さすがに正面から行くとバレかねないので、どこか隠れられそうな場所を探してもらう。

手頃な木を見つけたようでそこに止まったリー。


「これは炊き出しか…。にしても警備兵だけじゃなくて騎士もちらほらいるが…どこか距離を感じる。やはり仲は悪いみたいだな。」


「まぁ領主館に色々想定して避難所を作るなんて、なかなかできることじゃないな。武闘派ってことだけど、まぁ自分の元にいれば守ることが出来るっていう気持ちの表れだね。」


スカム達が葉の間から炊き出しの様子を眺めていると、リーの視界が横にぶれ始める。

リーに下を向いてもらうと、音声こそ聞こえないが警備兵が2人がリーのことを指さしていた。


「見つかっちまったか…!スカム、リーを撤退させるぞ?」


「仕方ないな。」


「全く…随分と練度が高いねー。近くの騎士も慌てて来てるところを見ると、警備兵の方が危機察知能力が備わっているみたいだ。僕らかするとはた迷惑なんだけどね。」


リーをすぐさま撤退させるサップ。

領主館の敷地内をすぐ飛び出して、東側の田園地帯を飛んで逃げる。

だが警ら中の警備兵や騎士に連絡が直ぐにいったようで魔術やら矢が飛んでくる。

魔術を避けた拍子に足に矢が命中してしまい、スピードが遅くなるリー。

このまま田園地帯を飛んでては狙い撃ちにされるだけなのでスラム地域に逃げ込んで西側から出ることにする。



スラムに逃げ込むまでに何度か被弾してしまい、リーは少し弱っているようだった。

スラムの建物を縫うように逃げていたので、追手は撒くことができたようだ。

このまま西側から出られれば万事解決だ。


「スカム…。西側なんだが…例の警備隊長がずっと陣取ってるんだ。俺も辛いが最悪リーは諦めるしかないかもな。」


「お前がそんな弱気でどうする。まぁ、俺もゴブリンとかを結果的に使い捨てることがあったから、偉いことは言えないが…部下の面倒は最後まで見ろ。」


「…悪ぃ。らしくなかったな。」


「てか門から出なくてもリー君なら門の上を飛んで町の外に出られるんじゃない?」


「それはできない。外壁には特殊な魔術が仕込んであって、殺傷能力はないが細い魔力の糸を張っているらしい。

全身を痺れさせる効果とか様々で外壁をよじ登った野郎は落下死するって訳だ。

それと外壁近辺はさすがに警備兵や騎士が見張ってるからな。魔力の糸を逃れようと高度を上げても見つかっちまえば終わりだ。リーの情報はもう広まってると思うからな。」


電気柵のような感じか。とスカムとナゴは言葉にしないまでも同じことを思った。これも異世界人の発明らしく、これにより外壁を登った侵入者や空を飛ぶ魔物の侵入を大幅に防ぐことができるようになったらしい。

スカム達からすると大迷惑な話だが。


スカム達が作戦会議をしていると、映像がかすみ始める。

どうやらリーに刺さってる矢が毒矢だったようで、リーの身体を蝕んでいるようだった。


「時間はないね。しょうがない。ホントだったらサップ君の言う通り見捨てることも選択肢の1つなんだけど…。スカム君のさっきの言葉感動したよ。それに僕だってリー君を見捨てるなんてことはしたくない。仮に命を助けることは出来なくても埋葬位はしてあげたいな。」


そういうとナゴは魔石を取り出して、氷に取り付ける。


「これで僕がいなくても、いくらかなら映像が続く。森に面している外壁までリー君に飛んでもらって痺れて落ちてきたリー君を僕が回収してくるよ。

リー君を蝕んでる毒も分解できるかどうかやってみるね。移動の都合上体内に取り込むわけだから。

あ、リー君に飛び越えてもらうタイミングだけど映像がぶれ始めたら命令をお願いね、サップ君。」


「…ナゴ、頼んだぜ。」


「任されたよー。じゃあ行ってくるねー。でもスピードはそんなに出ないからゴブリン達に運んでもらうかな。何匹か連れてくよー。」


「ああ、任せた。」


ナゴに任せておけばなんとかなるだろう。しかしサップに熱くなって言ってしまったが…。こんなにも仲間の為に俺が言えるとはな…。これくらい部下を思いやる気持ちがあれば、もしかしたら別の未来があったのかも……いやないな。

サップとオットーはどうしても部下という面が強い。

別に見下してる訳でもないし、なんならだいぶ大事にしてるくらいだ。

まぁ。今更そんなことを考えても仕方がない。ここはナゴの帰りを待つことにするかな…。

久しぶりの解説コーナーをしましょうかね。自分的に気になったこととかの補足説明(自分用だったりも)

以前【水精霊信仰】の話において、

ナゴさんが館周辺の結界を強固にしたり、サップ達の結んでる契約だったりを書き換えていたのに、前回の話で水溜まりに氷を張っただけで疲労困憊になりました。

それは何故かと言うと、結界とか契約の場合、元々の魔力だったりの流れを操っているだけであり、補強で自分の魔力を入れただけですが、ナゴさんだけの力で魔力の行使はむっちゃ疲れます。

一応裏設定として、ナゴさんの全盛期だった時代と違って空気中の魔力だったり、濃度的なものも違うので本来の力が全然出せてないという感じ。

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