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悪人達の日常  作者: 安雄
3/37

相棒の弱点?

今回の話しは少しグロいのかな?人によると思います。

『』で前半喋っていますが、潜めた声で話してると思ってください。

何とかあいつらにバレないまま、馬車が発進したみたいだ。どうやら、あいつらの他に護衛の騎士一人と御者が一人いるみたいだ。タイミングを掴んで襲撃しよう。


『で?どうするんだ。』


『何がだ?。悪霊騎士。』


『名前だよ。な・ま・え!どうやらあちらの方はニーバスって名前らしいが…お前はまだないだろ?あ♪俺が付けてやろうか?』


確かに、こいつのいうとおり名前はあった方がいいな。元の名前は、この世界では浮く部類だからな…。…ふむ…。…よし決めた。


『スカムだ。スカム・チュッニー。俺の国ではスカムというのは屑とかそういう意味だ。今の俺にはぴったりだしな。名字の方は…聞くな。』


まさか…中二病から付けたと言ってもこの世界の人間には分からねえだろうし。何にせよ…町に着いたら情報を集めなければ…


『さっきもいったけど、お前には協力するつもりだからお互い名前で呼びあうべきだ。そういうことでよろしくなスカム。』


『…ああ、俺の方こそ。サップ、よろしく。』


それにしても、来るときはあの老害に説教されながら来たからあまり感じなかったが…随分町まで長いんだな。


『ん?おいwwwスカム!外が面白い状況になってんぞ♪そろそろチャンスじゃねえか?』


「言わせておけば…随分偉そうなことをいいますね♪あなた…冒険者からそこらの賊にでも転職したらどうですか?そうすれば私が真っ先に殺しに行きますから?」


「お前が土下座しながら、綱貴様お願いします!って言ったら考えてやるよ?」


「なんですって!」


声色からして、綱貴の野郎と女のようだな…。痴話喧嘩してんなら都合が良い…先ずはこいつらからだ。


『サップ。お前攻撃手段は?包丁持てるのか?』


『…駄目だ。何故か持てない…。だが憑依は可能だ。』


『ならそれで頼む。俺が廿楽を開けたらすぐにどちらかを刺せ。』


問題はどのタイミングで開けるかだが…俺としては誰かが開けてくれるのを待ちたいのだが…。


「君達。少しどいてくれないかな?」


来た!?予想外だな…。こんなにも幸運が続くなんて、もしかするとスキルの恩恵かもな。


『え?何?どうすりゃいいんだ?蓋開けた奴を刺せばいいのか?』


『サップ。お前はもう、すぐに憑依してくれ。そのあと俺がお前を投げる。その方が自然な軌道だろう…そしてどこかしらに刺さった後、再度別の奴を狙えばいいだろう。別に綱貴じゃなくったっていい。あいつらの仲間が殺られたのとなれば動揺するだろうし…下手すりゃパニックだな。サップお前もそういう光景見てみたいだろ?な♪』


『ああ、期待してるぜ♪「先ずは、この廿楽だ… 」行くぜ!』


「うわぁ!?」


サップは勢いよく飛び出していき商人を切り裂いた…と思いきや頬を斬ったのみだった。まあ、いい。サップが幌に刺さっていることは計画通りだ…。


「な!?お前は…」


そういや、もう一人の俺も居たんだったな。そんなことより、俺がすることはサップが突撃するまでの時間稼ぎだ…。


「てめぇ!ここで会ったが百年目!この綱貴サマが直々にしばいてやる!」


威勢が随分良いな…。そろそろ頃合いだろう…。

案の定サップは既に幌から抜け出して、天井ギリギリを浮遊しているみたいだ。全員の気が俺に向いてる今がチャンスだな♪


『さて…まずはてめぇだ。ニーバス君♪一番レベルが低いやつを狙うのが俺のやり方だ!』


包丁は勢いよく、ニーバスに突撃していって…敢えなくニーバスが廿楽の蓋を使って防いだ。だが、あくまでも廿楽なので、すぐに脱出してまた空中で突撃体制を構えた。


「っち!失敗したか…。おい!サップ逃げるぞ。」


予想外だな…。まさか残りカスだと思ってたやつが、防げるとは…。ただ単にサップも憑依するのが初めてだったのもあるかもしれねえけど…ここは逃げるべきだな。


「…お?ミントじゃねえか!ここであっt「今は…逃げるといったはずだ。」…了解だスカム。」


全くこいつは…呆れるな…6vs2は分が悪いだろうに。勝てる秘策があるなら別だがな。

逃げる手段としては飛び降りるしかないな。大分スピードは落ちている方だし、全力で逃げればおってこないはずだ。これは賭けだがな…。

おっと…最後に言っておかなきゃな。


「…スカム・チュッニー。お前らを絶望させる名だ。」


よし、飛び降りるぞ………………………!?

い、痛ぇぇぇぇぇ!くっ!だが逃げねえと殺される…俺は痛みを堪えながら山奥へと全力で走った。



~~~~~~~~~~~~~~~


「はあ…はあ…。ここまで逃げれば平気だろう…。生命力はどうなってるかな?」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

生命力:25(-80)

魔力:510(±0)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


…ほぼ死にかけだな。最大の2割ちょっと、といった具合か…。魔力は、意外と多いな♪そのかわり、あっちの奴はステが悲惨なことになってるだろうな。俺には関係ねえけど。


「おい…。サップちゃんと付いてきてるか?」


すると靴の先端から奴が出てきた。どうやら憑依してたようだ。


「おま!?足臭くね?」


「……」


「いや…すまない。そうだ!お前走りやすかっただろ?俺が足に力を分けていたんだ、どうだ?走りやすかっただろ♪」


「全力すぎて分からなかった。一応礼は言う、助かった…。」


結果的にこいつのお陰で助かったんだ。感謝しとくべきだな。人間じゃないだけでこんなにも相手を信頼出来るようになるって…俺はホントにどこか狂ってるのかもな…。


チョロチョロチョロ…


この音は…近くに水があるのか?ちょうどいい、汚れを洗い流したいし喉も渇いていたところだ。


「サップ、近くに水辺があるらしい。向かうぞ?」


「あー?教会の地下水路からの水だと思うぞ?まぁ汚くはないと思うんだが…。」


ふむ…そうか…最悪、飲めはしなくても体の汚れを落とすだけでもいいかもな。それに音からしてそんなに勢いもない…。多分、支流の一つだろうな。さてボチボチ向かうか……。


**********


どうやら小川のようだ。水の勢いが弱いようだが体をゆすぐのには問題ないし、水も透き通っていて飲用出来そうだ。


「さて、土埃もそうだが、傷の部分を洗い流したいな…。水も今後、山を下るなら持ち運び出来るようにしたいが…サップ。」


「探してこいって?全く霊使いが荒いやつだよ…。ついでに俺も水飲も♪」


ん?今、こいつなんて言った?俺も飲も♪だと!?馬鹿な…そんなことがあるはずが…


「お前…水飲めるのか?」


「うん。あと食べ物も食えるよ。てか食わないと力出ないし。勘違いしないように言っておくが…俺が特殊なだけだからな?普通の霊は、飲食は基本的にしない。…じゃあちょっと行ってくる。」


そう言ったあと、上流の方へと走っていった。何であいつは浮かばないのか…。幽霊って足がないんじゃ……考えても仕方ない。自分のことをしながらあいつを待とう。


~~10分後くらい~~


「おい!?スカム!大発見だ!俺に付いてこい!」


「…どうやら本来の任務とは別のようだな。」


俺は内心毒づきながらもサップと共に上流に向かうと……岩に教会の人間が倒れていた。


「ぅぅぅ…」


まだ生きているようだ…見たところ装備はあまり持っていなく、せいぜい使える物とすれば短剣くらいだろう。先ず、俺がやるべきことは決まっている……。


「死ね。」


俺は、そのまま短剣の刀身を引き抜き奴の首を切り裂いた。血が吹き出し…辺りに血飛沫が飛び散り、何度か痙攣したあと、動かぬ肉塊と化した。


プチプチプチプチプチプチプチ!


髪の毛が七本抜けた…ということはレベルがそれだけ上がったということか。こんなにも上がるなんてな…。こいつは高レベルだったのか?少しステータスを見てみるかな…?


***********

スカム・チュッニー LV8

生命力:590(+485)

魔力:1164(+654)

筋力:10(+6)

体力:24(+18)

敏捷:15(+11)

器用さ:33(+21)

賢さ:33(+18)

精神:10(+8)


***********


やはり、7も上がると段違いになってるな。ただ、未だに生命力が低いな…。これは特性として諦めよう。

グチュ!プチプチ!


ん?何の音だ?

俺が不意に、伏せてた顔を上げると…突如顔に何かがかかった。


「何だ?…サップこれは何なのか説明しろ…。」


思わず顔に手を当てて、何なのかを確認すると…それは少し黒ずんだ血だった。足元を見てみると…半分に割れた眼球が落ちていた。

「ぅぅ…オエッ……!なんて、モン…見せんだ!?って、うっ!」


そしてサップの方を見たことを後悔した。先ほどの男の死体は原型を留めておらず…有り体に言えば、木っ端微塵だ。悪いことにそこら中に体の生体組織が散らばってしまっている…。腸が…木に引っ掛かっていて…オエッ!グロすぎる!


「…ゴホッ!…簡潔に聞く。何をやった?」


「いや~そのだな?お前がこのオッサン殺した後憑依出来るかな?と思って、してみたらいきなり内部からドカン!しちゃった♪どうやら俺は人間に憑依出来ないのかも♪」


「…そうか。」


少なくともこいつは、人間共には魔物認定だろうな。ということは、さしずめ俺は魔物に味方する狂人ってところかね?

…おや?川底に何か沈んでるな?これはピアスか?


「ほう…見た限り上等なモノだな…。取り合えずくっついてる耳たぶはいらん。」


ピアスがくっついていた耳たぶを川に捨てるとあっという間に流れていった。


「町で売って金に換えるか…いや?足がつくと不味いから俺が拝借しておくか。」


「それよりこのあとどうするんだ?山を降りんのか?」


「当たり前だ。だが、町に入るのは暫く様子をみてからだ。後、この大量の肉塊を何とかしないとな。川に流せるもんは流して、血生臭い臓器とかはそこらに撒いておこう。勝手に野犬やらが処理してくれるだろうからな。他の、骨やらは埋めておくぞ。…お前は短剣に憑依して穴を掘ってくれ。」


「了解。確かにこのまま行ったらマズイからな♪」


そうして俺たちは、比較的小さめの指やら舌を川に流し、骨を雑に埋蔵した。その後、俺とスカムは山を下山していった。

サップ君の弱点は、人間に憑依出来ないことです。そればかりか憑依出来るモノも限られています…。

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