居酒屋で二人のひと時
「生きる意味が欲しいんだよね、私は」
「……どうした?」
スミカは、ビールのジョッキを傾けながら私を見つめる。私は緑茶ハイの入ったグラスを見ながら、口を開く。
「なんかさ、なんの意味もなくダラダラ生きてるような気がして、なにも成せないまま人生が終わるのかな、って怖くなる時ない?」
「んー……別に人生でなにか残したいとは思わないかな」
「えっ、なんか……なにか残せないと人間としてダメだなって思わない?」
「なにそれ、思わないよ。だいたい、なにか残すってなにを残すの?」
「えっと、例えば子供とか……なにかの記録に残ることとか? なにか作品……?」
自分で言ってて、なんだかふわふわしすぎてるなと思った。
「そんな曖昧なイメージじゃ、なにもできないと思うよ」
スミカの指摘はもっともだ。私はがくりと肩を落とす。
「そうなんだよね……。ただ、なにかをしなくちゃみたいな願望だけがあって、自分がなにをしたいのかはわからないの」
「そんな願望、抱えてたら苦しくない? 捨てちゃえば?」
スミカはそう言って、ポリポリとおつまみのきゅうりを齧る。
「簡単に捨てられたら苦労しないよー。でも、まあ、捨てる方がいいんだろうねぇ」
私は頷いて、テーブルの上にあるポテトに手を伸ばした。
「生きてくことに意味なんてないと思ってるよ、私は」
「……そういう考え方の方が、人生って楽なのかなぁ」
「でも、色々と考えすぎなくらい考えてるカリナが、好きだよ私は。だから、カリナはそのままでいいんじゃないかな」
「……ありがと」
私はそう答えて、グラスに残っていた緑茶ハイを飲み干した。
〈了〉
最近ちょっとキャラクターの名前を考えるのが苦しくなってきました。




