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→【恋愛シリーズまとめ】

【短編完結】幸せに結婚を迎えた二人の真実の愛の物語

掲載日:2026/02/22

満月の夜。

二人の門出を祝うため、国中の人々が祝宴の席へと集まっていた。

神々に祝福されたかのような星空が、地上を白く、清らかに照らしている。


「新郎、あなたはここにいる新婦を。病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も。妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」


「はい、誓います」


「新婦、あなたもまた……夫として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」


「はい、誓います」


「では、お互いに誓いの――」


神父の言葉が途切れた。

天頂に達した満月の光が、ステンドグラスを抜けて新郎を直射する。


「あなた、どうしたの? えっ!? 体から、毛が……」


「ワオーーーーーーーーーーーーーーン!!!!」


愛の誓いを立てたその口から漏れたのは、獣の咆哮だった。

タキシードを突き破り、牙を剥く狼男。場内は一瞬で恐怖のどん底に叩き落とされる。


「あぁーーーー!!!! 狼男よーーー!! 誰か、殺して! こいつを殺してーーー!!!!」


さっきまでの「慈しむ」という誓いはどこへ行ったのか。

新婦の悲鳴のような殺害依頼に応え、警備していた衛兵たちの槍が一斉に新郎を貫いた。


「グサッ!」


永遠の愛を誓ったはずの祭壇は、一瞬にして新郎の鮮血で赤く染まった。

これぞ、二人の「真実の愛」の物語である。


(完)



幻の続話。リライト特別超過ep。2019→2026。


惨劇から一夜明け、血の匂いがわずかに残る城の裏手。

昨晩の衛兵が、丸められた「毛の塊」を新婦の前に放り出した。


「ほらよ。あんたの旦那だった『狼』の毛皮だ。一応、形見だろうと思ってな」


「え?」


新婦は、昨日まで愛を誓い、口づけを交わした男の一部を、ゴミを見るような目で見つめた。


「だから、狼だよ。綺麗に剥いでおいてやったぜ」


「……あぁ、いらない」


「マジかよ。最高級の毛並みだぜ?」


衛兵の驚きを余所に、新婦は冷たく言い放つ。


「狼と寝てただなんて、さっさと忘れたいの。そんな汚らわしいもの、視界に入れないで」


「……。ふん、そんなもんか」


「そんなもんよ」


彼女は一度も振り返ることなく、新しい「人間」の婚約者を探すために歩き出した。


〜 END 〜

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