#31
>>Towa:Three Months Ago -CM41F3C-
「ねえアイリス」
「何?」
「管理官の試験、合格した?」
「したよっ!」
とても良い笑顔でそう答えるアイリス。そう、私の優秀な姉は超難関と言われる管理官の試験に合格したらしいのだ。どれぐらいすごいのかは私にはわからなかったけど、いつもは厳格なお義父さんが一人書斎で泣いていたので、それぐらいすごいのだろう。
「いや、あれは……多分嬉し涙じゃないと思うなぁ」
「ちがうの?」
「えっとね、私が合格したのは二等管理官なんだよ」
「うん。お義父さんは管理官でしょ?アイリスの上司」
「確かにギルドの支部長とか、開拓団の団長も確かに管理官だけどね。そういう立場の人は三等管理官、なんだ」
「へっ?」
思わず変な声が出た。
お義父さんは三等管理官。
お姉ちゃんは二等管理官。
……それなら私は一等管理官かな。
「……何考えてるのか大体わかるけど、違うからね?一等管理官ってギルド総帥の別称なんだからね?」
「ということは」
「そういうこと」
ノリで言ってみたけど、どういうことだろう。アイリスがお義父さんより上役ってことだろうか。
「アイリスって偉い?」
「うん、ものすごくね」
「びっくりした。これから私はアイリスの下僕?」
「いやいや、別に今まで通りでいいよ?それにトワのSランクだって二等管理官以上にレアなんだし」
「じゃあアイリスは私の下僕?」
「どうしてそうなるかな……」
ともあれ、お義父さんが涙していた理由がわかった。アイリスが超難関試験を突破したことに。そして娘が自分より偉くなった事に。すごく複雑な涙だったんだな、あれは。あとでお義父さんを慰めに行かないと。……私が何かいうと逆効果になるかもしれないけど。
その後、アイリスに改めて聞いたところによると、三等管理官というのが資源惑星の責任者や支部長クラスに就くのに必要な資格で、二等管理官は星域を管理する統括局や監察部をはじめとした部門の長に相当するギルドの高位幹部らしかった。
そして二等管理官の資格試験というのは管理官業務を10年以上経験しないと受験資格すら得られないらしい。……なんとアイリス、5歳の頃からお義父さんの仕事を手伝って業務経験のカウント進めていたらしい。
びっくりするほど計画的だ……。私の姉は優秀だと思っていたけど、優秀なんて言葉では形容できない超天才、いやむしろチート主人公だと言うことを、このとき改めて思い知った。




