インターミッション『DBパージ』オラクルXVIII-記片の要塞
オラクルXVIII、最上部に存在する統括局局長専用オフィス。照明の落とされた部屋を照らすのは、窓から差し込む星明かりのみ。
『本日の活動記録保護方針を指定してください』
「今日の記録は……深層データを含めて全保存できるかしら?あの子達のことだから、ちゃんと残しておきたいの」
『記憶容量検証……警告:保存領域に十分な空き領域がありません』
「あら、もう?じゃあストレージの拡張を……」
『DBMSの管理可能上限に到達済み。拡張を行うとシステム全体のパフォーマンスが大幅に低下します』
「そうだったわね。じゃあ、仕方ないわ。記録の圧縮処理で対処なさい」
『指示、了解。圧縮範囲と圧縮率を指定してください』
「前回の圧縮箇所から、さらに100年分。概略だけを残して、情報のディテールは削除してかまいません。それでどの程度圧縮できるかしら?」
『指示、了解。記憶容量検証……今回の全保存に対応可能』
「ということは、次に全保存をお願いしたときは……」
『再度の圧縮処理が必要です』
「はぁ。このシステムも……もう、限界かしら」
『回答できません』
「いいわよ、あなたに聞いたわけではありませんから。では削除と圧縮の処理、今日の分の全保存を実施して」
『指示、了解。……完了しました。他にご用はありますか』
「直近の公務予定はどうなっていますか?」
『17日後に支部長会議、19日後に3惑星連合商工会会頭との面談予定があります』
「ありがとう。じゃあ予定より随分と早いけど……今回はもう眠っても良いかしら」
『問題ありません』
「そう。じゃあ、お願いしますね、セバスチャン」
『了解しました。さようなら、お館様。DBパージ開始』
豪華な椅子に腰掛けた小さな人影に向かい、傍らに立っていた人影が腕を振り下ろした。何かが潰れる鈍い音と共に、部屋には沈黙が訪れた――
不穏な空気を醸し出しつつ、物語の舞台は惑星クレリスへ移ります
次章「英雄への道」ではWeb小説で人気の「VRMMO」ならぬ「ARMMO」RPG仕立てのお話しとなります!
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