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〜6〜コン

「マオを助けて頂いてありがとうございました。失礼で無ければお名前をお伺いしても?」

「君すっごいしっかりしてるね〜!俺の名前はコンだよ。あ、偽名では無いけどあだ名ね」


ラウが到底子供とは思えない言葉遣いで質問をし、コンさんはにこにこしながら答えてくれた。子供にも名前をはっきり教えない事に疑念を抱きつつも、悪い人には見えないのでラウと大丈夫だろうと頷き合う。


「コンくん!きつねさんみたい!」

「ふふっ、そうだねぇよく言われるよ〜」

「やっぱり〜!」


イケメンと幼女のあまりにも尊いほのぼのした姿にまた目が潰されかける。ラウもやられている。


(分かる、分かるぞ)


内心もの凄い勢いで頷く。そこで5時の鐘が鳴る。途端に焦り始める。コンさんをかなり引き留めてしまっている。何か用事がなければいいが。


「あの、コンさん」

「コンで良いよ」


まさかのことを言われ戸惑いながらも訂正する。


「えっ、あえっと、コン?」

「うん、なあに?」


どうやらこれで良いようだ。かなりフランクな人のようだ。


「かなりお引き留めしちゃってますがお時間大丈夫ですか?あと何かお礼もしたいんですけど…」

「ううん、大丈夫だよ〜お礼はいいから、そろそろ暗くなるしみんな帰りな?また絡まれても大変だし」

「いやでも…」

「大丈夫だよ、若い子にお礼させるわけにもいかないし、君たちが危ない目に遭う方が嫌だから」


コンは聖人のような事を言ってくる。それに若いのは貴方もだ、と突っ込みたくなるが我慢した。


(うーん、確かに遅いしまたあんな目にあってもやだな…よし、帰るか)


お礼をせずに帰るのは心苦しいが、確かにそろそろ暗くなっているし、お言葉に甘える事にした。


「じゃあ、お言葉に甘えて…今日は本当にありがとうございました。失礼します」

「うん。よろしい。じゃあね〜」


コンはひらひらと手を振る。リノとラウは手を振りかえし、わたしも控えめに振りかえした。最後までコンは美しかった。まるで神のように。


(綺麗なひとだったな〜)


綺麗だった、が、優しい笑顔がどこか冷たく見えた。




孤児院に帰ってきて寝る支度を済まし、布団に入り今日の事を振り返る。転生して一日目。ナンパされ殴られかけられるもコンに助けられる。綺麗でとても良い人だったコン。


また会えたら良いな、と普通のうら若き女子なら思うだろう。


だが、何故だかコンと会うのはこれっきりにしたかった。


───何故だか、コンが怖かった。


(あんなに良い人だったのにこんなこと思うのなんでだろ…まあいっか。疲れたし寝よ)


考えるのをやめ眠りについた。また会いませんように、と。だがこれをフラグが立ったというのだ。勿論二人はまた会う事になる。その事に気付かずに、マオは眠っている。




「まおちゃん…今度こそはきっと──」


夜風が、静かに孤児院の外を吹き抜けた。


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