第10話 花が咲く!
お久しぶりです。是非今回も楽しんで読んでほしいです!
内容が濃過ぎた月火水と経ち、木金も終わり、土曜となった。
せっかくの良い天気だから公園にでも行こうと考え、思い立ったが吉日。もう着いていた。
そこの公園では綺麗な花と芝生が有名な場所だ。とても人気だが、今日は人がすっからかんで誰もいない。
芝生にポツンと生えている木の木陰に腰を掛け、考え事をていた。
その時、ふと考えた。
「ここの桜の木はいつ植えられてどのくらいのときが経って、こうなったのだろうな。って何言ってんだ僕。別に植物に詳しくも無いのに。」
正直、今こんな独り言して良いのかよく分からない。妹の事、タマの事、玄センの事、そして親の事。
そんな張り詰めた時期にする事じゃ無いかも知れない。とも考えてもいた。
ポカポカして、サラサラして、スヤスヤして。
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「ゆうりちゃん。寝てる?」
霞む目を頑張って上げ、目の前にいたのは花道沙織だった。偶然にも同じ時間帯に来ていたらしく会えた。
「さおりちゃん。偶然だね」
「ゆうりちゃん。会えたのは良いけど、公園で1人で寝るのは危ないよ・・・」
「は〜い」
いつもながら、自分の半分以下の年齢の子に正論な注意を受ける。もはや笑える。
整った顔立ちの優しい心と甘い雰囲気の持ち主、花道沙織は約一か月でとても仲良くなった。入学の後、教室で初めて見た時は完全に赤の他人で関わる事は無いだろうとも考えていた。
だからこそ、その時に話しかけてくれて嬉しかった。
そこからは、本当に女子同士の友達の様にした。
体育祭の時では、助け合ってゴールをしていた。
正直なところ、この歳にもなると無理をしないで欲しいとも思うが、本人は本気で頑張っていた。それは応援をしないと駄目だ、と考えていた。
今目の前に居る花道沙織は綺麗に広がる青々とした芝生を背景にしながらはにかんだ。
「それにしても、偶然だね」
「そうだね〜」
「何しに来たの?」
「ん〜、散歩かな」
「そうなんだ」
ただ何気ない会話を繰り返した。
「この公園、一緒に回らない?」
きょとんとした顔の僕の手を取って歩き出した。
「この公園よく来るの?」
「まぁ、うん」
歩いた。会話しながら歩いた。
すると突然、ある質問をされた。
「ゆうりちゃんってさ、る、瑠糸くんといつ知り合たの?今年、入学してすぐ仲良かったけど、小学校も違うし。ゆうりちゃんがどの小学出身かは、まだ知らないんだけれども・・・」
るい君と、か。出会ったのは、昨年度の冬くらいだな。この体になってから余り期間がなく、まだ僕がただのらりくらりと彷徨っていた時期。偶然服屋で出会った。
まぁ、あの時は僕が同じ中学生になるとは思いもよらなかったが。
だが、あの出会いのおかげで今仲良く出来ているのならそれで良いだろう。
シンプルにこう返した。
「行った服屋で会ったんだよね。その時はいい子だなくらいにしか感じて無かったけれども、偶然にも中学校が同じで、よく話してるって感じかな」
沙織ちゃんは少し怪訝そうな顔をしたが、すぐに表情は元に戻った。
「ふ〜ん。そう、なんだ」
「そうなの」
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そうやって公園をぐるっと一周した。
「よかったら、私の家来ない?」
「へ?」
この娘、凄い事言ってるぞ。いや、でも今の僕は女体化しているからおかしい事じゃ無い・・・よな?。でも駄目だろ。普通に考えて。人として。
「いや〜、やめとこうかな?突然行くと沙織ちゃんの家に迷惑かけちゃいそうだし」
とりあえず、それっぽい言い訳はした。
「大丈夫だよ。今の時間だと家に私一人だから。」
沙織ちゃんに引かれる手に逆らう事もできず、行くことが決定した。
手を引く沙織ちゃんは、凄く嬉しそうな顔をしていたもので、断りづらかった。だから仕方ないだろ。
「私の家、ここに近いからすぐ着くと思うよ!」
そうしてそのままついて行った。
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「お邪魔しまーす!」
ここが、沙織ちゃんの家か・・・。なんと言うか和を感じるな。
「ゆうりちゃん。どうかな?・・・」
「凄く綺麗な家だね」
「えへへ、ありがとう」
階段を登り、扉を開けて沙織ちゃんの部屋に入った。すぐに飲み物も用意してくれて、とてもありがたい。
今は、春と夏の間ぐらいで少し暑い。そこまで考えてあって、この飲み物も少し冷えていた。
「美味しいかな?」
「うん、すっごく!」
「えへ、嬉しいな」
何気ない会話を続けた。
ここは沙織ちゃんの部屋だが、少し男子っぽいものもある。趣味だろうか?
まぁ僕も昔は女子っぽいもの好きだったしそんなものか。
時は少し先に進み約30分後。
「ゆうりちゃん。突然だけど、一緒にお菓子作らない?」
お菓子か〜。昔は時々使っていたが、最近はほとんど無いな。
「沙織ちゃんはよく作るの?」
「えっへん!その通りです!」)ドヤッ
らしいな。それなら作るのはアリだな。
「で、何作る?」
「そこだな〜。ん〜。カステラとかどう?」
「良いね!」
カステラは自分の好物だ。菓子屋に行くと買うのは大体がカステラ。甘さが大人な感じて、とても美味しい。緑茶やコーヒーなどに合わせると尚良し。だから好きなお菓子といったらカステラだ。
「それじゃあ作り始めようか!」
沙織&優里のカステラクッキング!
まずは分量を計りましょう!
「え〜っと、砂糖が170gで強力粉が160gで。わわっ間違えて入れ過ぎた!」
・・・ミスっちゃったな。まぁミスるときもあるよな。
それじゃあ続きを。
では次に卵を割り入れましょう!
「一個、二個、三個、四個、五個、!この分量だと結構な量作れそうだね!」
その次は卵をハンドミキサーで泡立てながら砂糖を入れていきます!
「確か、砂糖を入れると泡立つんだよね!」
「そう。よく知ってるね!」
「これはね、泡立て過ぎないのも大切だよ」
「えっ、そうなの?!」
昔、時々作っていたから分かるが、これは泡立て過ぎない方が良い。ツノが立つちょっと前くらいで止まるのがベスト。
「このくらいかな?」
「グッジョブ!」
そしたら、強力粉を入れます!同時にオーブンを予熱します!
お菓子と言ったら薄力粉を思い浮かべる人は多いし、実際そうなのだが、日本でのカステラは強力粉が多い。
「気泡を潰さないように気をつけて混ぜないと」
「気泡潰すと膨らまないもんね・・・」
つぎに水飴(米飴)とはちみつを溶かした液を入れる。
「くんくん。良い匂い!」
そしたら160℃に予熱したオーブンで40分程。
「完成!」
焼けたカステラはふわふわで表面の色も丁度良い。
大成功だ。
「いただきまーす!」
二人で声を合わせて言ったその時。
『良い匂いがするようじゃな!』
さっきまで、閉まっていた筈のドアと靡くカーテン。そこに居る一匹の猫。そう、タマが来たのだ。
「ね、猫?!」
少し驚いた沙織ちゃんには数秒間の間があり、ある事を言い始めた。
「なんで猫が喋ってるの?(?)」
言い訳ができない。どうする。もうこの際言うか?
いや、ダメだろ。色々と危うくなる。だがどうすれば良いんだ?あぁ、もうどうしようも無い。どうすれば、どうすれば・・・
『それは我が猫又じゃからだ!』
「え?」
それ言っちゃう〜?!
『ゆうは、我の飼い主なのじゃ!良い飼い主なのじゃ。其方は誰じゃ?ゆうの友達じゃのか?』
「えーっと。は、はい。と、と、友達させてもらっています!な、名前は花道沙織です!」
『そうじゃのか。それは嬉しいのじゃ!』
やばい、さっきから僕だけ置いてけぼりだ。
『それでなのじゃが、そのカステラを貰っても良いんじゃかの?』
「は、はい!」
『パクッ。このカステラうまいんじゃ!凄いのじゃ!花道沙織と言ったんじゃかの。お主のカステラは絶品じゃ!』
「えっ、あっはい!」
ちょっと大変そうだけど二人が仲良くなっているみたいでとても嬉しい。
その後、タマは家に居座った。
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その日の夜。
「くそっ!沙織もあいつに目をつけられた」
そうタマが言った。まだ、僕には意味が分からない。だけどいつかわかる時が来るのか?
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翌日
「昨日は楽しかったね優里ちゃん!」
「う、うん・・・」
今日は平日で、普通に学校だ。
なんだか今日は悪い予感がする。なんともない日なのに、何故か。
新しい妖怪と会わなければ良いのだが。
と思いつつも校門を通る。
「優里、調子が変ですよ」
教室へ入ると七緒が心配してくれた。
まぁ、嬉しい事だ。だが心配は無用、自分でどうにか出来る筈だからな。
「大丈夫、心配は要らない」
そのまま、何も起こらず放課後になった。
「何も無かったのか?」
安心感に加え疑念も混ざるが、そのまま帰ろうとした。
その時
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「ちょっと良いかい?」
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誰だてめぇ?
「なんか、光ってる!?ただの人間なのになんで光ってるんだ?!」
「すまない。少し張り切り過ぎた。まずは、自己紹介だね。」
落ち着かないなぁこの人。と言うか誰だ?
「僕は、一年3組の猫田優里です。よろしくお願いします・・・」
「そうか。やはりそうか。ならば私も自己紹介だ。私は生徒会長兼、沙織の兄。花道舞糸だ!!!」
えっ、なんか重要そうな人物来ちゃった・・・
次話からは、メインに加え花道家の情報が出て来ます。
楽しみにしてください!
次話一ヶ月以内に出します。
追記 間違えたの投稿してました。こっちが本物です…