第88話 死にゲー
舞がアイドルになる前の日常。中学生の頃の話。
学校からの帰り道。
「舞、今日もあのゲームやろうぜ」
「ええ、いいわよ」
「今日こそクリアしてやる、あの鬼畜な死にゲー……」
「公介、もう30回くらい死んでるもんね」
「うるせー」
帰宅。
夜ご飯を食べて、お風呂に入る。
舞が俺の部屋に遊びに来る。
「さあ、ゲームを始めよう」
「その前にギュッてして」
「わ、わかった」
舞を抱きしめてあげる。
「ありがと」
「よし、じゃあゲームを始めよう!」
死んだら交代でゲームをする。
「うわーっ、死んだ」
「じゃあ交代ね」
「なんか舞ばっかりプレイしてない?」
「公介がすぐ死ぬからでしょ」
「くそ〜、また死んだ」
「よ〜し、私の番ね」
「おお、すごいな。もう敵の動きを見切っている」
「公介がやられている時に、敵の動きをよく見ているのよ」
「おー、倒した!」
「ふふ、やったわ」
「く、このボス、マジで強いな……」
「あ〜、私も死んだわ」
「俺の番だな。このボスは絶対に俺が倒してやる」
「お、公介、いい感じよ!」
「ああ、なんかいけそう!」
「あ、あ、もうちょっとよ、公介!」
「うおーっ!」
ついにボスを倒した。
「やったー! 倒したー!」
「すごいわ、公介」
「はは、ありがと……ん?」
倒したはずのボスが動き出す。
「これは……まさか」
「第二形態ね」
「マジかよ、もうアイテム残ってないよ……」
俺はまさかの第二形態になったボスに瞬殺された……。
ゲームをクリアした後、舞と一緒にベッドでゴロゴロする。
「ふ〜、なんとかクリアできたな。難しかったけど楽しかった〜」
「ボスを倒したのは私だけどね」
「それは言うな。このこの〜」
「あははっ、ごめんごめん、公介、くすぐったい、あはん」
美しすぎる幼馴染と、死にゲーを楽しんだ……。




