第8話 ライブ
今日は舞のライブがある。
打ち上げもあるだろうし、今日は遅くなるだろう。
夜のニュース番組で、さっそく舞のライブ映像が紹介されていた。
大きなステージで、セクシーなドレスに身を包み、スポットライトに照らされた舞は、神々しいまでに美しかった。
こうしてテレビ画面越しに観ると、この美しすぎる女性が本当に自分の恋人なんだろうかと、不思議な気持ちになる。
夜。
舞が帰宅。
「ただいま〜」
「おかえりなさーい! 舞、ライブお疲れさま」
「ふふ、ありがとう。疲れたけど楽しかったわ」
「打ち上げ、もう終わったのか?」
「まだだけど、疲れてるし、私まだお酒飲めないし、公介にも早く会いたいから、もう帰ってきたわ。まあ主役がいないのもあれだから、最初だけ顔を出したけどね」
「なるほど」
「さてと、私はお風呂に入るけど、公介はこんな時間だし、もうお風呂入ったよね?」
「うん、もう入ったけど、また舞と一緒に入る!」
「ふふ、じゃあ行きましょう」
舞と一緒にイチャイチャしながらお風呂に入った。
お風呂から上がると、一緒にベッドに入る。
「あむっ……公介っ……んっ」
舞が俺に、甘えるように抱きつきながら、情熱的なキスをしてくる。
「ま、舞……今日はさすがに疲れているんじゃないのか? 明日も仕事だろ?」
誘ってくれるのは嬉しいが、舞の身体が心配だ。
「たしかに身体は疲れてるけど、心は、ライブがすごかったから、まだ興奮しちゃってるの。このままじゃ、どうせ眠れないわ……だからお願い、公介」
「わ、わかった……それじゃあ、しょうがない……」
国民的アイドルと、ライブに負けないくらい熱い夜を過ごした……。
朝。
舞は仕事に行く準備をしている。
俺は手伝えることもないので、ソファーでニュース番組を観ていた。
「公介、飴舐める?」
「うん」
「はい、あーん」
「あーん」
飴を舐めると口の中がスースーした。のど飴だな。
「のど飴なら、舞も舐めたほうがいいんじゃないか。ライブでのど疲れてるだろ?」
「ええ、舐めるわよ。あとでね」
舞の仕事に行く準備が終わる。
「それじゃ、行ってくるわね」
「ああ、行ってらっしゃい」
「飴、返してくれる?」
「え……ああ、これ?」
「そうよ」
「わかった」
行ってらっしゃいのキスをしながら、舐めていた飴を舞の口の中に送る。
「うふふ、ありがと。それじゃ、行ってきまーす!」
飴を舌でころころ転がしながら、国民的アイドルはご機嫌で仕事に向かった……。