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第66話 夏祭り

「ただいま〜」


「舞、おかえり〜」


「公介、今日もコスプレしてあげるから、ちょっと待っててくれる?」


「は〜い、了解です!」


「ふふ、いい子ね」




 今日のコスプレは何かな何かな〜と、ドキドキしながら待つ俺。


「お待たせしました〜」


「お、おおっ!」


 舞が浴衣に着替えてきた。


 アイドルになる前は、毎年浴衣を着た舞と夏祭りに行ったことを思い出すぜ。


「今日は浴衣でお祭りデートしましょう」


「やったー!」




 浴衣を着た舞と、家の中を歩き回る。


「あ、公介、射的があるわ。やってみましょう」


「え、どこ?」


 舞はテーブルにお菓子の箱を並べてから、俺におもちゃの銃を渡す。


「お兄さん、綺麗な彼女だね。いいとこ見せなくちゃね」


 店主の役までこなす舞。


「オーケー。見てな、舞」


「頑張って〜、公介」


 離れたところから狙いをさだめる。


「よし、当たったぞ!」


「キャー! 公介、かっこいい〜!」


 舞が盛り上げてくれる。いい気分だぜ!


「お兄さん、彼女にかっこいいとこ見せられてよかったね」


 店主役の舞も褒めてくれた。




 舞が焼きそばやフランクフルトなど、祭りで売ってそうな料理を作ってくれた。


 せっかくだから祭りっぽく立ったまま食べる。


「う〜ん、すごい美味しいよ、舞」


「ふふ、これは私が作ったんじゃなくて、そこの屋台で買ったものよ」


「そ、そうだったな」


「おじさん、美味しかったわ。ははっ、お嬢ちゃんが美人さんだから、サービスで大盛りにしといたよ。まあ、ありがとうございます!」


 舞が一人で会話をしている……。




 最後は花火だ。


 部屋を暗くして、テレビの大画面に花火の動画を流す。


「綺麗ね……公介」


「ああ……」


「公介? ちゃんと花火見てる?」


「いや、舞のこと見てた」


「うふふ、もう、ちゃんと花火を見て」


「ねえ……あっちの林の方に行かない?」


「ええ、いいわ」


 部屋の壁際に移動して舞を抱きしめる。


「ああ、だめよ、こんな外でなんて……」


「浴衣を着た舞を見た時から興奮してたんだ。もう、我慢できないよ!」


「ああっ、公介〜!」


 浴衣を着た国民的アイドルと、夏祭りを楽しんだ……。




 愛し合った後、一緒にお風呂に入る。


「ふ〜、夏祭りの会場で浴衣のまま隠れて愛し合う。憧れのシチュエーションを擬似体験できたな」


「実際にやったら蚊に刺されそうだけどね」


「ははっ、そうだろうな」

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