第59話 ラーメン
夜。
舞が帰ってきたぞ〜!
「舞、舞〜!」
俺はさっそく舞にじゃれつく。
「うふふ、はいはい、ただいま、よーしよし、いい子いい子」
「ふう、ふう……ごめん、舞が仕事で疲れているのはわかってはいるんだけど、ついテンション上がっちゃって」
「いいのよ。公介とイチャイチャするのが私の最大の癒しなんだから。ほら、こっちおいで」
リビングのソファーで舞が可愛がってくれる。
「ふふ、それそれ〜」
「うは〜、舞〜!」
舞とイチャイチャしていたら、俺の腹が鳴った。
「あら、公介、お腹すいた?」
「夕飯はちゃんと食べたけど、ちょっと小腹がすいたかな」
「じゃあ、何か作ってあげるわ」
舞が冷蔵庫をチェックする。
「そうね……ラーメンでも食べる?」
「食べる食べる〜!」
俺は舞の腰にしがみつく。
「あはっ、これじゃ作れないわよ。大人しく待ってて」
「はーい」
ソファーに座ってラーメンができるのを待つ。
中学生の頃。
舞と一緒にラーメンを食べに行く。
お店に入る。
「よし、俺はチャーシューメンだ」
「私はつけ麺にしようかな」
「舞、餃子を一皿頼んで一緒に食べようぜ」
「いいわよ」
注文をすませる。
「お、来たな」
「じゃあ、いただきま〜す」
「いただきまーす。あっ……割り箸変な割れ方しちゃった」
「ふふ、何やってるのよ」
「ま、いいや、食べよう。う〜ん美味しい」
「私のつけ麺も美味しいわ。公介もちょっと食べてみて」
「うん、本当だ。つけ麺も美味しいな〜。舞も俺の食べてみて」
「うん、いい味ね」
「餃子も美味しいな」
「残ってる餃子、公介が食べていいわよ」
「やったー!」
高校生の頃。
アイドルになった舞が、テレビのグルメ番組に出ていた。
行列のできるラーメン屋で食レポする舞。
「美味しそうにラーメン食べる舞、可愛い〜! なんかラーメン食いたくなってきた……カップ麺でも食うか」
俺はグルメ番組を一人で観ながら、カップ麺を食べた。
そして同棲している現在。
「はい、ラーメン一丁あがり!」
「ありがとうございます!」
舞がラーメンを運んできてくれる。
「うわ〜、チャーシューも玉子も乗ってて美味しそ〜。さっそくいただきまーす!」
国民的アイドルの作ったラーメンを食べる。
「美味しい〜! 美味しいぞ、舞!」
「うふふ、慌てないでゆっくり食べてね」
「はーい!」
国民的アイドルに、ラーメンを作ってもらった……。




