第58話 ブランコ
小学生の頃。
公園。
「舞〜、ブランコ乗ろ〜」
「いいわよ」
ブランコで遊ぶ。
「それっ!」
俺は勢いをつけて靴を飛ばす。
「おお、けっこう飛んだな〜。舞、取ってきてくれ」
「はいはい」
舞が靴を持ってきてくれる。
「はい、明日は雨だったわよ」
そう言って靴を履かせてくれる。
「サンキュー」
「次は何して遊ぶ?」
「う〜ん、そうだな……帰ってゲームしよう!」
「ふふ、わかったわ」
中学生の頃。
学校からの帰り道。
「舞、久しぶりに公園でブランコに乗らないか」
「いいわよ」
ブランコに乗って遊ぶ。
「それっ!」
俺は勢いをつけて靴を飛ばす。
「おー、すごい飛んだな。舞、取ってきてくれ」
「はいはい」
舞が靴を持ってきてくれる。
「はい、明日は晴れよ」
そう言って靴を履かせてくれる。
「サンキュー」
「公介、二人乗りしない?」
「ああ、いいよ」
「よいしょ」
ブランコに座っている俺の腰の両端に、舞が向かい合わせで足を置いて立ち漕ぎをする。
俺の顔の前に舞の腰があり、制服のスカートがブランコの揺れに合わせてひらひら揺れて、パンツがチラチラ見える。
「お、おお……」
「公介、楽しい?」
「う、うん、すごい楽しい!」
「ふふ、じゃあ、もっと激しく揺らすから、しっかりつかまっていてね」
「は、はい!」
揺れるブランコ。揺れるスカート。そしてパンツ……。
ブランコってこんなに楽しかったんだな。
「よいしょっと」
「おっと」
舞が立ち漕ぎをやめて俺の太ももの上に座る。
「満足した? 公介」
「あ、ああ……楽しかったよ」
「パンツも、ちゃんと見えた?」
「は、はい……満足です」
「うふふ、それじゃあ帰りましょうか」
「はーい」
高校生の頃。
舞はアイドルになり、高校も別々になったので、俺は一人で学校から帰る。
「お……」
公園のブランコが目に入る。
なんとなく乗ってみる。
「そーれ」
なんとなく靴を飛ばす。
「むなしい……」
俺は片足でケンケンして靴を取りに行った……。




