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第52話 差し入れ

 高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。




 学校帰り、本屋に寄る。


 舞が表紙のファッション雑誌の発売が今日のはず。


「お、あった」


 舞からもらったお小遣いで、舞が表紙のファッション雑誌を買って帰る。




 俺は自分の部屋でファッション雑誌を読みながらのんびりする。


「いろんな服を着ている舞が見れるから、ファッション雑誌、最高だな!」


 ついつい、その服を脱がせるとこまで想像してしまうんだけどな。




 夜。


 舞が裏口からこっそりと遊びに来てくれた!


 俺は裏口に舞を迎えに行く。




 俺の部屋。


「ああ、舞〜!」


 俺はさっそく舞に抱きつく。


「あん……うふふ、いきなり甘えるの?」


「だって……あんまり会えてないから」


「そうね、じゃあ、まずはイチャイチャしましょうか」


「うん!」


 部屋のソファーで舞とイチャイチャする。


「公介、私がいなくても、ちゃんと部屋を掃除しているみたいね」


「うん、いつ舞が遊びに来てもいいようにね」


「公介、偉いわ〜!」


 舞がなでなでしながら褒めてくれる。


「あ〜、舞、気持ちいい〜」




 イチャイチャしたあと、舞が持ってきた袋を渡してくれる。


「はい、これ差し入れよ」


「ん? これは……お菓子か」


 袋の中にはお菓子がたくさん入っていた。


 なんだか高級そうなのもある。


「テレビ局のケータリングに置いてあったやつから、美味しそうなのを選んできたわ」


「お〜、気が利く彼女だな〜」


 お礼に舞を可愛いがってあげる。


「あん……あはっ、公介〜」




「はふう……公介、素敵だったわ。それじゃあ帰るわね」


「ええっ、もう?」


「ごめんなさい。明日はドラマの撮影で朝が早いのよ。だから帰ってもう寝ようかなって」


「そうか……」


 それならしょうがないな。でも舞と少しでも一緒にいたい……。


「そうだ、俺の部屋で寝ればいいじゃないか」


「でも、邪魔じゃない? これから公介、ゲームするでしょ? 朝も起こしちゃうだろうし」


「全然邪魔じゃないよ。とにかく舞と少しでも一緒にいたいんだ」


「それは私もそうよ。じゃあ公介のベッドで寝ようかな」


「やったー! どうぞ〜」


 舞が俺のベッドに横になる。


「ふ〜、やっぱり公介のベッドは寝心地がいいわね。もう身体がこのベッドに慣れちゃってるわ」


「そうだろ。だから寝にくるだけでもいいから、時間ができたら会いに来てくれよな」


「ふふ、わかったわ。私のことは気にしないでゲームしていいからね」


「おう」




 舞の持ってきてくれたお菓子を食べながらゲームをする。


「く〜……」


 舞はもう眠っていた。


 ああ、舞が同じ部屋にいるだけで幸せだ。


 俺はゲームをやめてベッドに上がり、舞を抱きしめる。


「ん……公介」


「ごめん、起こしちゃったな」


「いいのよ。公介も、もう寝るの?」


「うん、おやすみ、舞」


「おやすみ、公介」




 早朝。


「ん……」


「公介、ごめんね。起こしちゃったわね」


「いいんだよ。ドラマの撮影だっけ? 頑張ってな」


「ええ、行ってきます。チュッ」


 舞は俺の頬にキスをすると、部屋を出ていく。


「行ってらっしゃい、舞……」


 俺は舞の温もりが残っているベッドで、再び眠りについた。


 人気急上昇中の新人アイドルに、お菓子を差し入れしてもらった……。

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