第49話 展覧会
舞は今日、高級ブランドの展覧会のオープニングイベントに出席するらしい。
素敵なドレスを着ると言っていたな。
あ〜、見たいよ〜。そしてできれば抱きしめたいよ〜!
よし、それじゃあニュースをチェックしますか。
芸能ニュースをチェック。
お、展覧会のニュース、これだな。
「お、舞だ!」
ドレスを着た舞は、展覧会を開いたブランドが用意したネックレスや指輪もつけていた。
そのジュエリーの総額は5億円とのこと。
俺が数億円もするジュエリーをつけていたら、緊張して動けないだろうな。
「ふ〜、今日も俺の舞は綺麗だったな〜」
満足した俺は、夕飯を食べて、ゲームをするのだった……。
「ぐあーっ、またやられた〜!」
俺はゲームのボスをなかなか倒せずにイライラしていた。
「くそ、許せん、絶対に倒してやる」
もう一度チャレンジしようとしていたところで、舞が帰ってくる。
「あ、舞! 舞〜!」
俺はゲームのことをすぐに忘れて舞を出迎える。
「よーしよし、ただいま〜、公介。ん〜、いい子いい子」
「うはっ、舞〜」
舞によしよし、なでなでされて、あっという間にご満悦の俺。
「舞、ニュース見たよ。ドレス姿、すっごい綺麗だった」
「ふふ、ありがと。そうだ、それじゃあ私のドレス姿、見たい?」
「え、見たい! 見たーい!」
「ふふ、今日着たやつじゃないけどね。じゃあ、ちょっと待ってて」
「はーい」
「お待たせ〜」
「おおっ!」
ドレスに着替えた舞が戻ってきた。
それもニュースで見たやつより、露出多めの妖艶なドレスだった。
「ああ、舞、そのドレスも綺麗だよ! そしてセクシーすぎるよ!」
「うふふ、ありがと」
「さわっても大丈夫? これもすごい高級なドレスなんでしょ?」
「いいのよ。今は公介のために着てるんだから、公介が、このドレスでしたいことをしていいのよ」
「俺のしたいこと……」
俺はさっそく舞に抱きつこうとした……が。
「あら、そのゲーム……」
俺が途中でそのままにしていたゲーム画面に、舞が気づく。
「ああ、さっきまでやっていたんだよ。そのボスに30分くらい手こずっているぜ」
「これ、私もやりたかったやつなのよね。おもしろかった?」
「ああ、めちゃくちゃおもしろいよ」
「ちょっとやっていい?」
「も、もちろん、いいよ……」
舞がゲームをプレイする。
俺は愛し合いたかった気持ちを抑え、舞に操作方法を教える。
「やったー!」
「なんと……」
あっという間にコツをつかんだ舞は、何回か死んだだけで、俺が何十回も死んだボスを倒してしまった。
「どうよ」
「ビ、ビギナーズラックですね」
「ふふ、負け惜しみね」
舞が妖艶なドレスを着たままゲームに熱中している。
愛し合うのは後回しになってしまったが、舞が楽しんでいるのを見ると、すごい幸せな気持ちになる。
「公介、もう少しゲームを楽しんだら、たくさんイチャイチャしましょうね」
「あ……う、うん!」
妖艶なドレスを着た国民的アイドルと、ゲームを楽しんだあと、愛し合った……。




