第35話 カレー
舞がアイドルになる前の日常。中学生の頃の話。
今日も仲良く舞と学校から一緒に帰る。
二人の家が近づいてくると、いい匂いがしてきた。
「カレーの匂いね」
「どっちの家だ?」
「家が隣だと、わからないわね」
「くっ……でも匂い嗅いじゃったら、もうカレーが食べたくなっちゃったよ」
「ふふ、まあ家に帰ればわかるわよ。それじゃ、夜に公介の部屋に行くから」
「おーう」
夜。
俺の部屋。
舞が遊びに来る。
「こんばんは、公介」
「こんばんは……カレーはお前の家だったな」
「ふふ、そうだったわね。公介の家は?」
「ハンバーグ」
「よかったじゃない。ハンバーグも好きでしょ」
「うん、美味しかったよ」
「お腹さわらせて……ふふ、いっぱい食べたね〜」
舞が俺の満腹で膨らんだお腹を撫でる。
「あははっ、くすぐったいよ」
舞とイチャイチャしてから、テレビを観て、ゲームをして、またイチャイチャして……。
「ちょっと小腹がすいてきたな……」
「それじゃあさ、公介。うちに来てカレー食べない?」
「お、いいね、それ!」
隣の舞の家に行く。
舞の両親はもう寝ているようだ。
「じゃあカレー温めるから、ちょっと待ってて」
「は〜い」
舞のお母さんの作ったカレーを食べる。
「うん、美味しいよ」
「ふふ、お母さんに伝えとく」
カレーを食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
「このあとどうする? 公介の部屋に戻る? それとも、久しぶりに私の部屋で寝る?」
「う〜ん、そうだな。よし、今日は舞の部屋で寝よう」
「わかったわ」
舞の部屋の舞のベッドで舞に甘える。
「ふふ、いい子いい子」
「あ〜、舞〜」
俺の部屋で遊ぶことが多いが、舞の部屋にも小さい頃からよく来ている。
「今度、私がハンバーグカレーを作ってあげるからね」
「ああ、すごい美味しそう」
「ほら、ここはどう? 気持ちいい?」
「あは〜」
美しすぎる幼馴染の部屋で、久しぶりに一緒に寝た……。




