第34話 親は旅行
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
今度、親が旅行に行く。俺は一人で家に残ることにした。
舞に連絡したら、その日は夜になら来れるらしい。
うおー、やったぞー!
舞とめちゃくちゃ愛し合うチャンスだ!
舞がアイドルになってからは、なかなかそういうチャンスがなかったからな。
アイドルとホテルには行けないし、家には親がいる。
だが、今度の親がいない日は、久しぶりに何も気にせず堂々と愛し合うことができる!
親が旅行でいない日。
舞が裏口からこっそり遊びに来た。
「公介〜!」
「舞〜!」
お互いに強く抱きしめ合う。
「ああ、公介……キスして」
「いいよ、チュッ」
「ん……もっと」
舞のおねだりに応えて、深いキスをする。
「ま、舞……さっそくだけど……いいかな?」
「あん……もちろん、いいわよ。公介に会うの久しぶりだから、私も早く愛してほしいわ。早く公介を感じさせて……」
「舞……わ、わかった、舞〜!」
幼馴染のアイドルと、久しぶりに会ってすぐに愛し合った……。
舞と愛し合ったあと、一緒にお風呂に入る。
お風呂から上がったら、舞が夕飯を作ってくれた。
「舞、お腹すいた〜」
「はいはい、すぐに作ってあげますからね。この前出演したグルメ番組で、作り方を教わった料理を食べさせてあげる」
「その番組観た! 美味そうだなと思ったんだよ」
テレビでアイドルが作っていた手料理を、実際に本人に作ってもらうとは贅沢な話だ。
夕飯を食べたあとは、ちょうど舞が出演しているテレビ番組の時間だった。
二人でソファーにくっついて座りながら観る。
「テレビの中にいる綺麗すぎるアイドルが隣にいるって、今でも不思議な気分だな」
「ふふ、キスしながら観れば、もっと不思議な気分になるかも……」
「そ、それは……試してみても、いいですか?」
「どうぞ、ご自由に」
舞の出ているテレビを観ながら舞とキスをする。たしかに不思議な気分になったし、めちゃくちゃ興奮した……。
テレビを観たあと、俺と舞はまた愛し合った。
そして俺のベッドで一緒に眠る前のイチャイチャの時間。
「公介のベッドで寝るのも久しぶりね」
「そうだな」
「今日は本当に幸せだったわ。昔みたいに公介とずっと一緒で……」
「うん、俺もだよ……」
「早く同棲したいわね。そうすれば、またずーっと一緒にいられるわ」
「うん。でも俺は舞が芸能界で活躍しているのを見るのも大好きだよ。俺が褒められてるわけじゃないのに、なんだか誇らしい気持ちになるし」
「ふふ、それじゃあもっと活躍して、もっと誇らしい気持ちにさせてあげるわ」
「はは、頑張ってください……ふわ〜っ」
「うふふ……もう寝ていいわよ、公介」
「うん……おやすみ、舞」
「おやすみなさい、公介……」
翌朝。
一緒にシャワーを浴びてから、舞の作った朝ご飯を食べる。
そして仕事に行く舞を見送る。
「舞、仕事頑張ってな」
「公介、行ってらっしゃいのキスしてちょうだい」
「え、ああ、もちろんいいよ。行ってらっしゃい、チュッ」
「んっ、ありがと」
「ああ……これ、いいな」
「そうでしょ。同棲したら、ちゃんと毎日行ってらっしゃいのキスしてね」
「おう」
舞は裏口からこっそり自宅に戻ってから、仕事に向かった。
人気急上昇中の新人アイドルと、久しぶりに思う存分愛し合った……。




