第31話 ファッションの祭典
アメリカで開催される世界的なファッションの祭典に、舞が招待された。
それは嬉しいが、何日間か家を空けることになる。寂しいね〜。
「それじゃあ公介、行ってくるわね」
「うん、行ってらっしゃい。気をつけてな」
「ええ、わかってるわ。じゃあ、お願いします」
舞が両手を広げて、行ってらっしゃいのキスのおねだり。あ〜、可愛いよ〜!
「舞〜、行ってらっしゃい、チュッ」
舞を強く抱きしめて、いつもより多く行ってらっしゃいのキスをする。
「んっ、あむ……ふふ、行ってきます、公介」
ああ……舞が行ってしまった。
さあ、この寂しさはトレーニングにぶつけよう……。
ファッションの祭典当日。
舞が出るファッションの祭典は世界的なイベントだからな。ニュースでやるはずだ。
というわけで、テレビでニュースチェック。
エンタメのコーナーでさっそく取り上げられていた。
セクシーなドレスを着た舞が、カメラに囲まれてポーズをとっている。
「おお……舞、なんて綺麗なんだ。もう、綺麗すぎるって!」
うう、舞に会いたいよ〜……。
そして、舞が帰宅する日。
俺はそわそわしながら、今か今かと舞が帰ってくるのを待っていた。
「ただいま〜」
「舞っ! おかえりおかえりおかえりなさ〜い!」
俺は飼い主が帰ってきた犬のように大はしゃぎする。
「うふふ、おいで〜、公介」
舞はそんな俺を見て、本当に嬉しそうに抱きしめてくれる。
「ああ、舞〜」
「ふふ、落ち着いて公介、ほら、いい子いい子」
舞になでなでしてもらう。
「うは〜、気持ちいい」
「お土産も買ってきたからね。一緒に食べましょう」
「うん……で、でも、その前に、いいかな?」
「うん? なんのことかしら?」
「うう……わかってるだろ」
「ふふ、公介が何をしたいのか、ちゃんと言ってくれないとわからないわ」
「わ、わかった。ちゃんと言うよ……帰って来たばかりで申し訳ないけど、舞と今すぐ愛し合いたいんだ!」
「うふふ、わかりました。はい、どうぞ。たくさん愛してください」
「ま、舞……うん、ありがとう、めちゃくちゃ愛してるよ〜!」
アメリカから帰って来た国民的アイドルと、たくさん愛し合った……。




