第308話 口移し20
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
俺の部屋。
俺は舞が出演してるグルメ番組を観る。
高級ステーキを食べる舞。
「美味そうなステーキ食べてるな。ていうか綺麗だな、舞。俺の彼女、綺麗すぎるって……」
舞が裏口からこっそり遊びに来る。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「舞、今日はお前のテレビ観たぞ。グルメ番組で、ステーキ食べるやつ」
「ああ、あの番組ね」
「美味そうだったな」
「ええ、美味しかったわ……でも」
「でも?」
「その……」
「その?」
「……」
「なんだよ?」
「あのステーキ、公介に口移ししてもらいたかったなって」
「そんなこと考えてたのか……変態じゃないか!」
「うう……」
「そうだ、ちょっと待っててくれ」
俺はキッチンに行って、りんごとナイフを持ってくる。
俺の部屋に戻る。
「りんごがあったの思い出したよ」
「公介、それってもしかして……」
「はは、とりあえずりんごの皮むいてくれ」
「はい!」
舞がりんごの皮をむく。
「よし、ステーキのかわりに、りんごを口移ししてやるぞ」
「やったー!」
俺はりんごを口に入れる。
咀嚼する。
舞にキスする。
口移しで、舞にりんごを食べさせてあげる。
「あむ……美味しい〜! ありがとう、公介〜!」
人気急上昇中の新人アイドルに、口移しでりんごを食べさせてあげた……。




