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第305話 泣く4
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来る。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「舞〜、よく来たな〜」
俺はさっそく舞に甘える。
「うふふ、会いたかったわ、公介」
「俺もだよ〜」
「公介……ああ、公介〜」
「え?」
舞が急に泣き始める。
「ど、どうした、舞? 仕事でいやなことあったのか?」
「ち、違うわ……」
「じゃあ、どうしたんだ?」
「こ、公介が……」
「俺? 俺がどうしたんだ?」
「公介が好きすぎて、泣けてきたのよ、ふえ〜ん」
「え、ああ、そういうことか……」
舞はたまに俺が好きすぎて泣く。
「まったく、心配したじゃないか」
「うう、ごめんなさ〜い」
「いいんだ、よ〜しよし」
俺は舞の頭を撫でてあげる。
「ありがとう、公介、大好き、ふえ〜ん」
舞がさらに泣いてしまった。
「ほらほら、おいで、舞」
舞を抱きしめてあげる。
「大好きだぞ、舞」
舞にいっぱいキスしてあげる。
「ああ、公介、私も大好き、公介〜!」
泣いた人気急上昇中の新人アイドルを、慰めてあげた……。




