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第282話 口移し14

 夜。


 舞が仕事から帰ってきた。


「公介、今夜はチーズハンバーグを作ってあげるわね」


「わーい、やったー!」




 チーズハンバーグ完成。


「はい、お待たせしました〜」


「うおー、いただきまーす!」


 チーズハンバーグを食べる。


「美味ーい! チーズもいっぱいで美味すぎる!」


「うふふ、よかったわ」


「美味いな〜、もぐもぐ」


「あの、公介……」


「なんだ?」


「お願いがあるんですけど……」


「言ってごらんよ」


「このチーズハンバーグ……」


「めちゃくちゃ美味いぞ」


「ふふ、ありがと……いや、そうじゃなくて」


「なんだよ」


「このチーズハンバーグ、口移ししてほしいの!」


「しょうがないな〜、まったく、舞は変態アイドルなんだから」


「うう……」


「はは、待ってろ、チーズたっぷりで口移ししてやるぞ」


「やったー!」


 俺はチーズハンバーグを口に入れる。


 咀嚼する。


 舞にキスする。


 口移しで、舞にチーズハンバーグを食べさせてあげる。


「もぐもぐ……たしかにこれは美味すぎる〜!」


「それはよかった」


「ありがとうございます、公介さま〜!」


「はは、チーズハンバーグを作ったのはお前だろ」


 国民的アイドルに、口移しでチーズハンバーグを食べさせてあげた……。

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