第276話 口移し13
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来る。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「舞、いらっしゃ〜い、よく来てくれたぞ〜!」
「うふふ、こんばんは。公介、これ……」
「ん?」
舞がなんか恥ずかしそうにしている。
「お土産、なんだけど……」
「おお、ありがとうな」
お土産はフルーツ大福だった。
「これは美味そうだ」
「そ、そうでしょ」
「この前もいちご大福買ってきてくれたもんな」
「ええ……」
「そういえば、いちご大福の口移し、気に入ってたよな?」
「……」
「だから今度はフルーツ大福買ってきたんだろ!」
「さすが公介、その通りです……」
だからちょっと恥ずかしそうにしていたんだな。
「舞は変態だな〜」
「うう……」
「はは、ちゃんと口移しで食べさせてあげるからな」
「ありがと〜、公介」
「まずは俺が普通に食べさせてもらうぜ」
「どうぞどうぞ」
俺はみかん大福を食べる。
「おお、これ美味いな〜」
「そ、それじゃあ、次は私に……」
「はは、慌てるな」
「はい……」
俺はみかん大福を口に入れる。
咀嚼する。
舞にキスをする。
口移しで、舞にみかん大福を食べさせてあげる。
「もぐもぐ……お、美味し〜い!」
「それはよかった」
「つ、次は、キウイのやつ、お願い!」
「はは、まずは普通に食わせてくれ」
人気急上昇中の新人アイドルに、フルーツ大福を食べさせてあげた……。




