第263話 口移し9
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夏休み。
舞は夏休みもアイドルの仕事で忙しい。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来る。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「公介、はい、お土産」
「え、なになに〜?」
「テレビ局にあった楽屋弁当よ」
「どれどれ、おお、これはスパムむすびってやつだな」
「それ美味しかったから、公介も夜食にどうぞ」
「俺の彼女は気が利くな〜、ほら、なでなでしてやるぞ〜」
「あん、うふふ、公介〜」
舞を可愛がってあげる。
「はふう……」
「それじゃ、舞、スパムむすび、いただきます」
「ええ、どうぞ」
スパムむすびを食べる。
「これ、美味いな〜!」
「ふふ、そうでしょ」
「もぐもぐ」
「……ねえ、公介」
「なんだ?」
「私も食べたいんだけど……」
「ああ、もちろんいいぞ」
「その、公介に食べさせてほしいの」
「え、それって……」
「く、口移しでお願いします!」
「変態じゃないか……」
「うう……」
「はは、いいぞ、ちょっと待っててくれ」
「ありがとうございます」
俺はスパムむすびを口に入れる。
咀嚼する。
舞にキスをする。
口移しで、舞にスパムむすびを食べさせてあげる。
「もぐもぐ……お、美味しい〜!」
「それはよかったな」
「おかわりおかわり〜」
「オーケー」
新人アイドルに、口移しでスパムむすびを食べさせてあげた……。




