第253話 猫11
今日はセクシーな猫のコスプレをした舞と遊ぶ……はずだった。
だが、猫になった舞が、全然俺と遊んでくれない。
ただ、だら〜っと床で寝ている。
気分屋な猫をリアルに演じているのだろう。
「舞、そんなリアルに猫にならなくてもいいんだ。ほら、イチャイチャしようぜ」
俺は舞の身体を撫でる。
「にゃー……」
やる気のない返事が返ってくる。
「ほら、舞〜、猫ちゃ〜ん、にゃんこさま〜」
俺はしつこくなでなでする。
「舞〜」
「シャーッ!」
「うわっ!」
しつこくしすぎて、めちゃくちゃ怒られてしまった……。
さて、どうやってセクシーなにゃんことイチャイチャするか……。
「そうだ!」
いいことを思いついた俺は、ノートを準備する。
「さてと、テストが近いからな、勉強するか!」
そして、テーブルで勉強するふりをする。
「うにゃ……」
お、舞が反応したぞ。
「にゃ〜ん」
そして鳴く。
だが、俺は無視して勉強を続ける。
「にゃお〜ん!」
すると、舞がテーブルに上がり、ノートの上に寝転がった。
猫は勉強してると邪魔しにくるらしい。
「舞、勉強の邪魔をしないでくれ」
そう言って舞をノートの上からどかそうとする。
「にゃうっ」
しかし、すぐに舞はノートの上に身体を戻す。
国民的アイドルが、夜は猫になって飼い主の勉強の邪魔をしているとは、誰も思わないだろうな。
「はは、そんなにかまってほしいのか?」
「にゃん!」
「しょうがないな〜!」
俺は舞の身体をなでなでしてあげる。
「あん、にゃふう」
「それじゃ、いっぱい可愛がってあげるから、寝室に行こうか」
「にゃう」
セクシーな猫になった国民的アイドルと、愛し合った……。




