第221話 号泣
「あはは〜、舞〜」
「うふふ、よしよし」
仕事から帰ってきた舞に可愛がってもらっていた俺。
「そうだわ、ねえ公介」
「何?」
「おもしろそうなプレイを考えたんだけど」
「ほう、どんなプレイだ?」
「号泣プレイよ」
「号泣……プレイ?」
「女優は演技で泣けるから、私が号泣しながらイチャイチャするのよ」
「それ、楽しいのか?」
「ふふ、どうかしらね」
「まあ、試しにやってみるか!」
「おー!」
というわけで号泣プレイ。
「う〜っ」
「もう泣いてるよ」
舞がさっそく泣いていた。
「ちゃんと涙も流れてるし、やっぱり女優ってすごいな」
「ふふ、そうでしょ、うわ〜ん」
「もう、号泣だな」
国民的アイドルの泣き顔。
舞は泣いてる顔も綺麗すぎるぜ。
でも、演技だとわかっていても、舞の泣き顔を見ると胸が痛い。
「舞……」
俺は思わず舞を抱きしめる。
「ひっく、公介……」
「よーしよし、舞、俺が慰めてやるぞ」
舞の身体中をなでなでしてあげる。
「あん、公介、ありがとう」
「もっとしてやるぞ、それそれ〜」
「気持ちいい〜、ふえ〜ん」
「全然泣き止まないな……」
「女優ですから、ぐす……」
「よし、じゃあゲームするぞ。楽しくなれば泣き止むだろ」
「うう、いいわよ」
号泣する国民的アイドルと、ゲームをする。
「う〜、全員死ね〜」
舞が泣きながら銃を撃ちまくる。
「よし、死んだ、うわ〜ん」
舞は敵を皆殺しにして、泣く。
「泣きながら敵を殺すなよ、怖いぞ」
「だって、だって、ふえ〜ん」
「さらに泣いてしまった。あ、また敵が来たぞ、舞!」
「ぐす、死ね死ね〜」
そして舞は泣きながら、敵を殺し続けた……。
ゲームでも泣き止まないので、素直にお願いする。
「舞、泣き止んでくれ、笑顔を見せてくれ!」
「ええ、わかったわ」
あっさり泣き止む舞。
まあ、そもそも演技だからな。
「舞〜!」
嬉しくて俺は舞に甘える。
「うふふ、よしよし、公介、心配させてごめんね」
「あふ〜」
そんな俺を舞が可愛がってくれる。
俺は涙に濡れた舞の頬を、ペロペロ舐める。
「あん、うふふ、ありがと、公介」
「ペロペロ〜」
「あむっ」
「んむっ!」
舞がキスをしてくれる。
「公介、もっと慰めてくれる?」
「も、もちろんだ、舞〜!」




