第210話 甘えん坊3
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来る。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「舞、舞、舞〜!」
「あはっ、よしよし」
俺はさっそく舞に甘える。
「ああ、舞、会いたかったよ〜」
「私もよ、公介、ほら、ソファーに座りましょう」
「うん」
舞とくっついたまま、ソファーに座る。
「舞〜」
「うふふ、公介、今日はすごい甘えん坊さんね」
「ダメ?」
「もちろんダメじゃないわよ。公介に甘えられると、私もすごく幸せな気持ちになるの。だからもっと甘えて、公介」
「ああ、舞、大好きだよ、舞〜!」
舞に甘えた。
「ふう、ちょっと落ち着いたぜ……」
「あら、もっと甘えていいのよ」
「いや、今度は舞が甘えてくれ」
「ふふ、わかったわ。じゃあ、公介〜!」
「はは、よーしよし、舞は毎日お仕事頑張ってて偉いな〜」
「えへへ、褒めて褒めて〜」
「わかった、ほら、頭撫でてやるぞ、なでなで〜」
「あふ〜、嬉しいわ、公介、大好き……」
「俺も大好きだよ、舞」
「もっと言って、私のこと大好きって、もっと言ってちょうだい!」
「舞、大好き大好き大好き〜!」
「ああ、公介〜!」
「愛してるぞ、舞」
「私も、私も愛してるわ、ああ、公介……」
舞に甘えられた。
「はは、甘えるのも甘えられるのも、どっちも幸せだな〜」
「はあ、はあ……」
「どうした、舞?」
「なんだか、私、今ので……」
「甘えん坊スイッチ、入っちゃった?」
「そうみたいです」
「よし、それじゃあ、舞、今日はこのままたくさん甘えていいぞ!」
「やったー!」
人気急上昇中の新人アイドルに、甘えて甘えられた……。




