第187話 おんぶ2
舞がアイドルになる前の日常。中学生の頃の話。
学校からの帰り道。
「公介、おんぶさせて」
「なんでだよ」
「たまに公介のこと、おんぶしたくなるのよ」
「恥ずかしいよ」
「じゃあ、家の近くまで行ってから」
「それならいいか……」
「この辺まで来たらいいんじゃない?」
「そうだな」
舞におんぶしてもらう。
「よいしょっと」
舞が俺をおんぶして、楽しそうに歩く。
「舞〜、頑張れ〜」
「お〜!」
家に着く。
「はい、到着〜」
「お疲れさま、舞」
「いえいえ」
「舞〜!」
俺はおんぶされたまま、舞に抱きつく。
「あら、どうしたの、公介?」
「舞がおんぶするから、子供の気分になっちゃった」
「ふふ、それじゃあ、もうちょっとおんぶして歩いてあげるわ」
「わ〜い!」
舞が俺をおんぶしながら、家の庭を歩いてくれた。
夜。
舞が俺の部屋に遊びに来る。
「公介、抱っこしてあげるわ、おいで」
「いや、今日はおんぶしてもらったからな。俺が舞を抱っこする〜」
「あらそう、じゃあ、お願いしま〜す」
ソファーで舞を抱っこしてあげる。
「そら、なでなで〜」
「あん、うふふ、気持ちいいわ」
美しすぎる幼馴染に、おんぶしてもらった……。