第18話 新婚ごっこ
夜。
テレビを観ながらのんびりしていると、舞が帰ってきた。
「舞! おかえり〜」
俺はいつものように舞に甘える。
「ただいま〜、おーよしよし、いい子だね〜、可愛いね〜」
舞も、いつものように可愛がってくれる。あ〜至福。
「公介が嬉しそうに出迎えてくれると、ああ、仕事頑張ってよかったな〜って、すごく幸せな気持ちになるの」
そう言いながら、俺の身体中を撫でてくれる。
「ああ、舞……気持ちいいよ」
「うふふ……あ、そうだ、たまには私が公介を、お出迎えしてあげるわ」
「ん? どういうこと?」
「いいから玄関に行って、合図したら仕事から帰ってきた感じで戻ってきて」
「そういうことか、わかった」
舞にお出迎えしてもらうのか。それは新鮮な気分を味わえそうだ。
「公介、もういいわよ〜」
準備できたみたいだな。仕事帰りみたいな感じで部屋に戻ろう。
「ただいま〜」
「おかえりなさ〜い!」
「おおっ!」
笑顔で出迎えてくれた舞は、なんと裸エプロンだった。
「な、なんで……?」
「新婚の奥さんが、裸エプロンで、旦那様をお出迎えするって設定よ」
「そ、それがやりたかったのか……」
「うふふ、それじゃ、あらためて……おかえりなさい、あなた」
「あ、ああ……ただいま、舞」
「今日も、お仕事お疲れさまです」
「ははっ、愛する妻がいるから頑張れるんだよ」
「ふふ……それじゃあ、あなた。先にご飯にしますか? それともお風呂にしますか? それとも……わ、た、し?」
これは……新婚さんのお約束のやつだ!
「もちろん……舞だ!」
「あん……あなたっ!」
裸エプロンの国民的アイドルと、新婚ごっこで盛り上がった……。