第179話 牛2
舞の新作映画が公開されて、週間ランキングで一位になっていた。
もちろん家から出られない俺は、観に行けないんだけど。
「ただいま〜」
舞が帰ってきた。
「舞、おかえり〜!」
「ふふ、ただいま、公介。今日は時間があるから、私の新作映画の内容を一人芝居で表現してあげるわ」
「やった〜!」
「じゃあ準備してくるから、ちょっと待っててね」
「は〜い」
俺はお菓子とジュースを用意して、ソファーに座る。
舞が部屋に戻ってくる。
「お、おお!」
舞はなぜか牛のコスプレをしていた。それも露出度の高いエッチな牛のコスプレだ。
「え、主人公って牛だったっけ?」
「あはは、違うわよ。せっかくだから、公介のよろこぶコスプレでやろうって思っただけ」
「な、なるほど、そういうことだったのか」
「それじゃ、一人芝居を始めるわよ!」
舞が一人芝居を始める。
エッチな牛のコスプレで芝居をされて、俺はちゃんと感動できるのだろうか……。
舞の一人芝居が終わる。
「うう……ブラボー!」
めちゃくちゃ感動した俺は、泣きながら拍手をする。
「ふふ、ありがとうございました」
「舞〜!」
俺は舞に抱きつく。
「あん」
「舞、お、俺、もう……」
俺は感動しながら、しっかり興奮もしていた。
「ふふ、我慢しないでいいのよ、公介」
「ありがとう、舞〜!」
「モ〜!」
エッチな牛のコスプレをした国民的アイドルと、愛し合った……。