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第173話 雪男

 今日はコスプレをした舞と、イチャイチャする日だ。


 う〜、楽しみだな〜、興奮するな〜!




「がお〜っ!」


「おわっ! びっくりした〜、なんだよそれ?」


「これは雪男のマスクよ」


 舞は雪男のマスクを被っていた。しかし、身体はセクシーな純白の下着だけだった。


「舞、身体は最高だよ! でも、美しすぎる顔が見えないから、そのマスクはとってくれ」


「だめよ、今日は雪男の設定でイチャイチャするんだから」


「雪男とイチャイチャしたいと思ったことはないぞ」


「まあまあ、やってみれば楽しいかもしれないわよ」


「う〜ん、じゃあ、やるだけやってみよう」




 というわけで雪男とイチャイチャする。


 俺は未確認生物の雪男を探すために雪山に来た調査隊、という設定だ。


「ふう、現地の人から雪男の目撃情報は得られた。あとは雪男を見つけるだけだ!」


 俺は雪山、という設定の部屋をうろうろする。


「俺は雪山の捜索を開始した……」


 ナレーションも自分で入れる。


 ソファーの後ろに隠れていた雪男の舞が、ちょっとだけ顔を出す。


「今、向こうに何か見えたぞ!」


 俺は急いで探しに行く。


「う、うわーっ、雪男がいたぞ! 実在したんだ!」


 俺は雪男を発見した。


「ぐるる……」


「ついに雪男を見つけてしまった……いざ見つけたら、どうすればいいのかわからないな」


「寒くないか? 人間は寒さに弱いんだろ?」


「ええっ、雪男が普通にしゃべった!」


「ふふ、驚くのも無理はない」


「あ、あの、雪男さんでいいんですか?」


「ああ、お前ら人間に、雪男とか、イエティとか、いろんな呼ばれ方をしているよ」


「や、やっぱりそうなんですね……あの、ちょっと失礼なことを訊いていいですか?」


「なんだ」


「顔はイメージ通りの雪男の顔なんですが、身体は人間の女性の身体にしか見えないんですが……?」


「それは雪男のメスだからだ」


「な、なるほど。しかし、今までたくさんの人が探して見つけられなかったのに、どうして俺のところに?」


「それはもちろん、お前に会いに来たからだ」


「俺に? な、なぜですか?」


「ふふ、私はそろそろ子供を作る年齢でな。そんな時に雪山をうろうろしているお前を見つけたんだ」


「ええっ、まさか、僕の子供を……」


「ああ、今から作るぞ」


「そ、そんなことを急に言われても……あっ!」


 雪男がマスクをとる。


「な、なんて綺麗な人、いや、雪男なんだ……綺麗すぎるだろ」


「急にボーッとして、どうした?」


「いや、マ、マスクだったんですね」


「ああ、だって雪山だからな、顔寒いだろ」


「身体はほぼ裸ですけど」


「そんなことどうでもいい、あっちに洞窟があるから、早く子供を作るぞ!」


「は、はい、作ります! 子供作りま〜す!」


 雪男になってくれた国民的アイドルと、子作りをした……。

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