第170話 バレンタイン
小学生の頃。
常に一緒にいる俺と舞は、バレンタインのチョコも一緒に買いに行く。
「公介、どれが食べたい?」
「う〜ん、これがいいな」
「じゃ、それを買いましょう」
「やったー!」
中学生の頃。
俺と舞は一緒にバレンタインのチョコを買いに行く。
「俺、これ食べた〜い。舞はどれがいい?」
「私はそうね……これがいいわ」
「これも美味しそうじゃないか?」
「いいわね、それも買いましょう」
舞と一緒にいろんなチョコを買って食べた。
高校生の頃。
舞はアイドルになり忙しい。
学校も別々になった。
夜。
舞が裏口からこっそり会いに来てくれた。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「公介、渡したい物があるんだけど……」
「え? な、何かな?」
「もう、わかってるでしょ」
「いや〜、毎年一緒に買いに行ってたからさ、こうして持って来られると、なんか照れるな」
「うふふ、私もドキドキしてるわ。はい、公介、バレンタインのチョコです」
「ありがとうございます!」
同棲している現在。
舞がキッチンで、バレンタインのチョコを作っている。
「は〜い、公介、できたわよ〜!」
「やった〜!」
国民的アイドルから、バレンタインに手作りチョコをもらった……。