第164話 節分
夜。
舞が仕事から帰ってきた。
「ただいま〜」
「舞、おかえり〜!」
「公介、今日は節分だから、恵方巻き食べて、豆まきしましょう」
「ああ、わかった」
「それじゃ、着替えてくるわね」
「お待たせ〜」
「お、おおっ!」
舞が鬼のコスプレをしてきた。それも、露出度の高いセクシーな鬼だ!
「ああ、舞、最高だよ! なんて綺麗でセクシーな鬼なんだ!」
「ふふ、ありがと。じゃあ、さっそく恵方巻き作るわね」
キッチンで鬼が恵方巻きを作っているのを眺める。
後ろ姿もエロい鬼だぜ……。
「はい、恵方巻き、できました〜!」
「おお、じゃあ食べるか。どこを向けばいいんだ?」
「西南西よ。こっちね」
「わかった。細かいルールはわからないけど、とにかく黙って食べればいいんだよな?」
「ええ、それでいいと思うわ」
「オーケー、じゃあ食べよう」
舞と黙って西南西を向いて恵方巻きを食べた……。
「ふう、恵方巻きも食べたし、次は豆まきだな」
「ようやく鬼の出番ね」
「でも、たくさん投げると片付けが大変だよな」
「じゃあ、ちょっとだけ投げて、鬼を外に追い出しましょう」
「え〜、こんな綺麗でエッチな鬼さん、追い出したくないよ〜」
俺は鬼の舞に抱きつく。
「うふふ、大丈夫よ。何度追い出されても、鬼は公介の元に戻って来るわ」
「その言い方だとなんか怖いな……」
豆まきをする。
「うが〜、お前を食い殺してやる〜!」
すごい怖い鬼が来た。
「鬼は外〜、福は内〜」
俺はちょっとだけ豆を投げる。
「うが〜、やられた〜」
「やった、鬼を撃退したぞ!」
「これで来年も健康ね」
「はは、そうだな」
「それじゃあ、豆を片付けましょう」
「は〜い」
舞と豆を片付けた。
俺は鬼の舞を抱きしめる。
「舞!」
「あん」
「それじゃ、鬼さんを外じゃなくて、寝室に連れて行くぞ〜!」
「うふふ、やった〜!」
鬼になってくれた国民的アイドルと、愛し合った……。