第153話 猫5
夜。
俺はソファーで横になり、テレビを観ながら舞の帰りを待つ。
「ふわ〜っ」
ちょっと眠くなってきたな。
「舞……」
舞を想いながら、寝る。
「ん……」
誰かが俺の胸やお腹を優しくマッサージしている。
「ふわ〜っ、舞か?」
目を開ける。
「お、おおっ!」
エッチな猫ちゃんが、両手で俺の身体をふみふみしていた。
「にゃ〜ん」
「ま、舞、どうしたんだ?」
舞は露出度の高いエッチな猫のコスプレをしていた。
「ふふ、帰ったら公介がソファーで寝ていたから、ちょっと驚かせてあげようと思って」
「それで、猫になってふみふみしていたんだな」
「そうだにゃん」
そしてまた俺の身体を猫のようにふみふみする。
ああ、国民的アイドルがエッチな猫ちゃんになって起こしてくれるなんて、最高の目覚めだぜ!
「よしよし、いい子だな、起こしてくれてありがとな」
起こしてくれたお礼に、抱きしめてなでなでしてあげる。
「ふにゃ〜ん、にゃははっ」
「それそれ〜」
「うにゃん、はにゃん」
「ほれほれ〜」
「にゃ……」
「そらそら〜」
「……」
「あれ、どうした?」
「シャーッ!」
「おわっ!」
舞は急に機嫌が悪くなって離れてしまった。
「またこのパターンかよ……」
猫は気分屋だから、さっきまでご機嫌だったのに急に機嫌が悪くなる。
「舞、そんなにリアルに猫にならなくていいから、普通にイチャイチャしようよ〜」
猫のようによつんばいで離れてしまった舞を、追いかける。
「シャーッ、シャーッ!」
「うわっ!」
めちゃくちゃ怒られた……。
「もういいよ、寝よ寝よ〜」
俺はふてくされて寝たふりをする。
「……にゃ〜ん」
舞の寂しそうな鳴き声。
まだだ、まだ反応しないぞ。
「……ふにゃ〜ん」
まだ無視しよう。
舞が近づいてくる気配がする。
「にゃん、にゃん」
お、また俺の身体をふみふみしているぞ。
今がチャンスだ!
「舞〜!」
「ふにゃん!」
俺は舞を抱きしめる。
「大好きだよ、舞、舞〜!」
そしてキス!
「んにゃっ、あむ……」
「舞、寝室に行って遊ぼう、いっぱい可愛がってあげるから!」
「ふにゃ〜ん!」
エッチな猫ちゃんになってくれた国民的アイドルと、愛し合った……。