第15話 女教師
今日も帰ってきた舞が、コスプレで俺を癒してくれるらしい。
仕事で疲れているだろうに、ありがたいぜ……。
しばらくリビングで待っていると、舞が戻ってきた。
「お待たせ、公介、今日のコスプレは女教師よ!」
「おおーっ!」
今日は女教師のコスプレだった。それも、実際の学校には絶対にいないであろう、かなりエロい感じのセクシー女教師だった。こんな女教師がいたら、男子は勉強どころではないだろう。
「どうかしら?」
「最高です! とってもセクシーです!」
「うふふ、ありがと。それじゃあ、教師と生徒という設定で癒してあげるわ。橘くん」
「はい、宮沢先生!」
とりあえず学校ごっこを楽しむ。
「はーい、それじゃあ橘くん、この問題わかりますか?」
「さっぱりわかりませーん」
「もう、橘くんったら……」
「それより宮沢先生、彼氏いるんですか〜?」
「い、いません。もう、真面目に授業を受けなさい!」
「はーい」
「橘くん、放課後になったら話があります」
「ええ〜、怒られるんですか?」
「いいから、帰らないで教室に残っていなさい」
「はーい」
放課後……という設定。
「先生、話ってなんでしょうか」
「橘くん。あなた最近、成績が下がっているわよね」
「あ、はい……」
「来年は受験なのよ。このままじゃいけないわ」
「それは、わかっているんですけど……」
「じゃあ、どうして?」
「最近、勉強に集中できなくて……」
「集中できないって……何か悩みでもあるの?」
「そ、それは……その……」
「先生に教えて、力になるわ」
「……わかりました。僕、一日中先生のことが頭から離れなくて、勉強に集中できないんです!」
「えっ……そ、それって、もしかして」
「はい……先生が、好き、なんです」
「そう、だったの……」
「ご、ごめんなさい、こんなこと言われても困りますよね……ぼ、僕、もう帰ります」
「待ちなさい、橘くん!」
舞が俺の手をつかむ。
「せ、先生……あの……」
「私のせいで、勉強に集中できないのよね?」
「は、はい……」
「じゃあ、もし、私が橘くんの望むことをしてあげたら……勉強に集中できそう?」
「せ、先生っ……そ、それって……」
「どうなの?」
「で、できると思います……でも、いいんですか? 教師と生徒なのに」
「私はあなたの先生よ。生徒が勉強に集中するのを手伝ってあげるのは当然よ」
「せ、先生……」
「でも、これは橘くんだけにしてあげる、特別授業よ……みんなには内緒、ね?」
「は、はい、絶対に誰にも言いません!」
女教師になった国民的アイドルと、特別な授業をした……。