第131話 ふてくされる
夜。
「あはは〜、舞〜」
「うふふ、よしよし、いい子いい子」
舞に遊んでもらっていた俺。
「そうだ、公介、ゲームしましょう」
「いいぜ。何やる?」
俺はゲームを準備しようとする。
「違うわ。私が考えたゲームをするのよ」
「ああ、そうだったのか。どんなゲームするんだ?」
「ふてくされゲームよ」
「それはどういうゲームなんだ?」
「私がふてくされてる公介のご機嫌を取るゲームよ」
「まあ、楽しそうだな」
「じゃあ、さっそくやりましょう」
「お〜」
というわけで、ふてくされゲーム。
「ふてくされ続けられたら公介の勝ちね」
「オーケー。絶対ふてくされ続けてやる」
俺はぶすっとしてソファーに座る。
舞がその隣に座る。
「ねえ、公介」
「……」
無視。
「公介、どうしたの? 機嫌悪いの?」
「……別に」
「ほら、おいで、抱っこしてあげるから、ね?」
「今日は抱っこしなくていいよ」
「そんなこと言わないで、公介のこと、すごく可愛がりたいの。だから、いつもみたいに甘えてちょうだい?」
く〜、めちゃくちゃ甘えたい! 抱っこして可愛がって欲しい! でも今は我慢だ。
「き、今日はそんな気分じゃないんだ」
「公介……」
「あっ」
舞が優しく抱きしめてくれる。
「お願い、公介。私とイチャイチャしてちょうだい。エッチなコスプレをして、公介のしてほしいことなんでもしてあげるわ。大好きよ、公介。だから、ね?」
「ま、舞……もうダメだ、舞っ、俺も大好きだ!」
俺は舞を抱きしめ返す。
「はい、公介の負け〜」
「え? ああっ、しまった……」
「公介、弱いわ」
「くっ……」
舞みたいな綺麗すぎるほど綺麗な国民的アイドルに迫られて、我慢できるかよ!
「じゃあ攻守交代だ。こんどは舞がふてくされてくれ」
「いいわよ」
というわけで、今度は舞がふてくされる。
ソファーに座る舞に話しかける。
「舞〜」
「……」
無視される。
だけど、ふてくされてる舞も綺麗だな〜。
「どうしたんだ、舞。そんなにふてくされちゃってさ」
「別に、なんでもないわ」
「なんでもないことはないだろう」
俺は舞の隣に座って肩を抱く。
「やめてよ。今はそういう気分じゃないの」
「まあ、そう言わずにさ」
俺は舞の身体をなでなでする。
「あん……やめてって……言ってるでしょ」
「お願いだよ、舞、いつもみたいにイチャイチャしよう?」
「んっ……いやです」
ふてくされ続ける舞。
く、強情だな。どうするか……。
そうだ!
「舞、ちょっと待ってて」
「え?」
俺は寝室に行って猫耳を取ってくる。
そして、リビングに戻ると猫耳を装着して、猫のように舞に甘える。
「にゃ〜ん、舞、僕と遊んでくれにゃ〜ん」
「あははっ、ずるいわ公介、それは反則よ」
舞は笑いながら、俺を抱きしめてくれた。
「やった〜、舞の負けだ〜」
「うふふ、負けでいいわよ。公介と楽しく遊べたからね」
「そうだな、舞〜」
そのまま舞に甘え続ける。
「もう我慢できないよ、舞、本当にイチャイチャしよ〜」
「いいわよ、私も我慢できないわ」
「そうだ、俺がふてくされてた時に、エッチなコスプレもしてくれるって言ったよな」
「うふふ、もちろん覚えてるわ。期待しててね」
「やった〜!」
国民的アイドルとふてくされゲームで楽しく遊んだ後、愛し合った……。