第123話 涙
アイドルになる前の日常。中学生の頃の話。
学校からの帰り道。
舞とゲームの話をしながら帰る。
「舞、あのゲーム、今日あたり終わりそうじゃないか?」
「ええ、たぶんね」
「よし、ラストスパートだな。舞、早く来いよ」
「ええ、わかってるわ」
帰宅。
「それじゃあ、夜に公介の部屋に行くからね」
「おう」
俺はお風呂に入ってから、夜ご飯を食べる。
夜。
舞が俺の部屋に遊びに来る。
「舞、早くゲームの続きやろうぜ!」
「その前にちょっとイチャイチャしましょうよ。今日全然イチャイチャしてないわよ」
「そ、そうだな。ごめん」
舞を抱きしめて、身体中をなでなでする。
「あ〜、気持ちいい〜。ありがと、公介。じゃあゲームしましょう」
「お〜!」
ゲームの続きをする。
舞と頑張ってラスボスを倒して、エンディングを観たのだが、これが悲しいエンディングだった。
号泣する俺と舞。
「う〜、そ、そんなことって……」
「悲しいわね……公介、おいで」
「舞〜」
俺たちは抱き合いながら、エンディングテーマを聴いた。
「舞……今夜は泊まってくれよな。まだ悲しくて、一人じゃ寝れないよ」
「ええ、もちろんいいわよ」
舞と一緒にベッドで寝る。
「おいで、公介」
「舞〜」
俺は舞に抱きつく。
「うう、思い出したらまた泣けてきた」
俺は舞にしがみつきながら泣く。
「よしよし、公介」
舞は俺の身体中をなでなでして慰めてくれる。
「悲しい終わり方だったけど、心に残るいいゲームだったわよね」
「うん、やってよかったよ……ふわ〜っ」
俺は大きなあくびをする。
「ふふ、もう寝ましょう。おやすみ、公介」
「うん、おやすみ、舞……」
美しすぎる幼馴染と、ゲームを楽しんだ……。