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第121話 焼き芋

 小学生の頃。


 俺は家で舞と遊んでいた。


 買い物に行っていた母さんが、焼き芋を買ってきてくれた。


「おお、舞、焼き芋だぞ!」


「おばさん、ありがとうございます」


「舞、半分こしようぜ」


「ええ、いいわよ」


 焼き芋を食べる。


「美味い!」


「ええ、美味しいわね」




 中学生の頃。


 学校からの帰り道。


「舞、寒いな〜」


「ええ、そうね」


「おりゃ〜」


 俺はふざけて舞に抱きつく。


「うふふ、あったかいわ、公介」


「そうだろ? うりうり〜」


「あははっ、くすぐったいわ」


「お、あれは……」


「焼き芋屋さんね」


 焼き芋を売ってるトラックを見つけた。


「焼き芋買おうぜ、舞。一本だけ買って半分こしよう」


「いいわよ」


 焼き芋を買う。


 半分に割ると、いい香りの湯気が上がる。


「はい、舞」


「ありがと」


「うん、美味いな。ホクホクだな」


「ええ、甘くて美味しいわ」




 高校生の頃。


 舞はアイドルになり、学校も別々になった。


 俺は学校から一人で帰る。


「寒い……」


 帰り道で焼き芋を売ってるトラックを見つけた。


「焼き芋か……食べようかな」


 一本買ったが、食べきれずに残してしまった。




 夜。


 舞が裏口からこっそりと遊びに来る。


 俺は裏口に舞を迎えに行く。


「公介、遊びに来たわよ〜」


「いらっしゃ〜い、舞」


 舞を連れて俺の部屋に戻る。


「あら、これは焼き芋?」


 テーブルに後で食べようと思って置いといた、焼き芋に舞が気づく。


「ああ、学校の帰りに外で買ったんだけど、一本は食べきれないよな」


「じゃあ、食べていい?」


「いいよ、冷たいけどな」


 舞が冷めた焼き芋を食べる。


「うん、美味しいわ」


「それはよかった。じゃあ、芋食いながらゲームするぞ〜」


「ふふ、いいわよ」




 そして同棲している現在。


 舞が仕事から帰ってくる。


「ただいま〜」


「おかえり、舞!」


「ふふ、今日は焼き芋買ってきたわよ」


「いっぱい買ってきたな。こんなに食いきれないよ」


「ふふ、大丈夫よ。残った焼き芋で、私がいろんなスイーツを作ってあげるから」


「おお、それは楽しみだ!」

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