第118話 本2
小学生の頃。
舞は本を読むのが好きだった。
ジャンルを問わず、とにかく本を読んでいた。
俺も舞の影響でよく本を読むようになった。
俺の部屋。
「舞、ゲームしようぜ」
「ごめんなさい、今日は読みたい本があるのよ。公介はゲームしてて」
「オーケー」
俺はひたすらゲームをして、舞はひたすら本を読む。
「ふう、ちょっと休憩。ほら、公介もおいで、休憩しましょう」
「わかった」
俺は舞に抱きついて甘える。
「舞〜」
「うふふ、よしよし、いい子いい子」
「今読んでる本おもしろい?」
「ええ、あとで公介も読んでね」
「頑張るぜ」
中学生の頃。
たまにピクニックをしながら読書をした。
舞が作ってくれた弁当とコーヒーを持っていく。
シートを敷いて、その上でのんびりしながら本を読む。
「公介、コーヒー飲む?」
「ああ、頼むよ」
「はい、どうぞ」
「ありがと。外で本を読むのも気持ちいいな」
「ふふ、そうね」
「寒くないか?」
「大丈夫よ。でも、もうちょっとくっつきましょう」
「そ、そうだな」
「ふふ、あったかいわ」
二人でくっついて本を読む。
「ふう、ちょっと休憩」
「私もそうするわ。ほら、一緒に横になりましょう」
「おう」
二人でシートに横になる。
「綺麗な青空ね」
「ああ、そうだな」
「そろそろお弁当食べましょうか」
「何作ってきたの?」
「サンドイッチよ」
「わ〜、美味しそ〜!」
高校生の頃。
舞はアイドルになり、高校も別々になった。
夜。
舞が裏口からこっそりと遊びに来てくれる。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「公介、楽屋弁当よ。夜食にどうぞ」
「サンキュー」
「それから、私が読み終わった本も持ってきたわ。よかったら読んでね」
「お〜、ありがとうな。でも前に持ってきてくれた本、まだ読み終わってないんだよ。これ、おもしろいんだけどさ、めちゃくちゃ難しいよな」
「ああ、それね。じゃあちょっと内容を整理してあげるわね」
「お願いします」
舞に内容を整理してもらうと、その後すごい読みやすくなるんだよな。
「なるほどな〜、これってそういう話だったんだな。続きを読むのが楽しみだよ」
「ふふ、コーヒーでも淹れてくる?」
「いや、本は後で読むよ。今は舞とイチャイチャしたい!」
「あん、ふふ、私もそうしたいわ」
「わ〜い、舞〜!」