第114話 虎
今日は舞がコスプレをして大サービスしてくれる日だ。
セクシーなコスプレをした国民的アイドルと、めちゃくちゃイチャイチャするぞ〜!
「お待たせ〜、がう!」
「それは猫……いや、虎か!」
舞の今日のコスプレは虎だった。それも露出度の高いセクシータイガーだ!
「いいよいいよ、最高だよ! なんてエッチな虎さんなんだ!」
「ふふ、ありがと。じゃあ今日は虎とイチャイチャしてね」
「いや、殺されるだろ」
「そこをなんとか頑張って。公介ならできるわ!」
「まあ、舞とイチャイチャはしたいからな。よし、やってみるか!」
というわけで、虎になった舞とイチャイチャするために頑張る。
舞は虎のようによつんばいで、リビングをうろうろしている。
まあ、まずは普通に仲良くできないか試してみよう。たまたま人懐っこい虎かもしれない。
「虎さん、こんばんは」
「がうっ!」
「うわっ!」
舞に軽く殴られる。
「はい、公介、今死んだわよ」
「はい……」
というわけで再チャレンジ。
虎か……どうしようかな?
虎って何が好きなんだっけ?
まあネコ科の生き物だし、俺も猫になれば仲良くできるかもしれない。
よし、それでいこう!
「に、にゃ〜ん」
「がう?」
俺はよつんばいで舞にゆっくり近づく。
舞が俺を睨む。
本当に虎に睨まれてるような迫力だ。さすがはたくさんの映画やドラマの主演をつとめる女優。
「ふにゃ〜ん」
俺は敵意のない無邪気な猫であるとアピールする。
「ぐるる……」
舞はくんくんと俺の匂いを嗅ぐ。
どうなる? また殺されるのか?
「あっ……」
舞が俺の顔をぺろぺろと舐めてくれた。
どうやら心を許してくれたようだ。
「にゃーん!」
チャンスと思った俺は、ここぞとばかりに舞にじゃれつく。
「がう、がるる」
虎と猫が仲良くじゃれ合う。
「よし、今だ!」
俺は人間に戻り、舞の全身をなでなでする!
「がるる、あん、はあ〜ん」
舞が気持ちよさそうに鳴く。
「ははっ、ずいぶんエッチな声で鳴く虎さんだな」
「がるる、はふう……」
すっかり力の抜けた舞。
「よし、今日からお前は俺の虎だ。いいな?」
「がう」
「それじゃあ、今夜はいっぱい可愛がってやるからな」
「ぐるる……あん」
虎になってくれた国民的アイドルと、愛し合った……。