第111話 楽屋弁当2
高校生の頃の話。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来る。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
俺の部屋。
「公介、またテレビ局から楽屋弁当を持ってきたわよ」
「おお、ちょうど小腹がすいていたよ」
「すごい高いお弁当らしいわ。めったに出ないやつらしくて、他の出演者たちもよろこんでたわ」
「それは楽しみだな。よし、チンしてこよ」
舞と一緒にキッチンに行って弁当を温める。
「舞、なんかジュースでも飲む?」
「お茶をテレビ局から持ってきてあるわ」
「いろんなもの持ってくるな……」
「ふふ、公介のためよ」
「サンキュー」
弁当を持って俺の部屋に戻る。
「それじゃ、いただきま〜す」
弁当を食べる。
「うん、美味しい! たしかにすごい美味しいぞ、舞!」
「うふふ、そうでしょう。はい、お茶もどうぞ」
「サンキュー」
テレビ局から持ってきた高額なお弁当を食べ、テレビ局から持ってきたお茶を飲んだ。
「ふう、美味しかった。ごちそうさま」
「また美味しそうなものがあったら持ってくるわ」
「ありがと〜、舞」
俺は舞を抱き寄せて、なでなでする。
「あん、うふふ、気持ちいいわ」
「ほれほれ〜、ここはどうだ〜」
「ふあん、公介、ん……ああっ!」
舞と食後のイチャイチャをした。
「ふわ〜」
舞があくびをする。
「眠そうだな」
「ええ、ちょっとね」
「よし、それじゃあ今からベッドに寝ながら映画を観よう。舞は寝落ちしてもいいからな」
「ええ、わかったわ」
舞とベッドでくっついてゴロゴロしながら映画を観る。
「この映画おもしろいな」
「……」
「舞?」
「……く〜」
舞はいつの間にか寝ていた。
こんなに疲れていたのに、弁当を持ってきてくれたのか。
俺は舞を抱きしめながら、音を小さくして映画を観た。