第107話 アドバイス
高校生の頃。舞は人気急上昇中の新人アイドル。
夜。
舞が裏口からこっそり遊びに来てくれた。
俺は裏口に舞を迎えに行く。
「公介、こんばんは〜」
「こんばんは、舞〜!」
舞を連れて俺の部屋に戻る。
「公介、これ、お土産よ。テレビのロケで行ったお店でお菓子買ってきたわ」
「おお、美味しそうだな〜」
「あとはお小遣いよ。遠慮しないで欲しいもの買ってね」
「ありがとうございまーす!」
「うふふ、それじゃ、明日も映画の撮影で朝早いから、私は寝るわ」
「俺の部屋で寝てくれ!」
「ふふ、ええ、そうさせてもらうわ」
「やったー!」
舞が俺のベッドに横になる。
「じゃあ、俺も寝ようかな」
「公介はゲームしてていいわよ。公介がゲームしてるのを見るの好きだから」
「そうか、でも寝れるか?」
「疲れてるから、そのうち寝落ちするわ。じゃあ、おやすみ」
「おやすみ〜」
俺はお菓子を食べながらゲームする。
だが、ゲームの謎解きがわからなくて困っていた。
「う〜ん……」
「公介、さっきの部屋に戻って、人形を調べてみて」
舞がベッドに寝ながらヒントをくれた。
「おお、サンキュー」
やっと次のチャプターに進めた。
今度はめちゃくちゃ強いボスに苦戦する。
「く〜、また死んだ、勝てる気しないぜ」
「公介、まずボスの足を狙って。そしてボスがバランスを崩したら、ナイフ攻撃をして」
「わかった」
舞のアドバイス通り戦って、ボスを倒すことができた。
「やった!」
「すごいわ、公介」
「ありがと〜、じゃなくて寝ろよ、舞。朝早いんだろ」
「ふふ、だって公介が困ってたから。でも、もう本当に寝るわ」
「じゃあ今度こそ、おやすみ、舞」
「おやすみ、公介」
俺はゲームを続ける。
「く〜……」
舞は寝たようだ。
ああ、その美しすぎる寝顔。
いや〜、本当に綺麗すぎるだろ!
俺もそろそろ寝るか。
ベッドに上がって、そっと舞を抱きしめる。
「ん……公介も寝るの?」
「ああ」
舞も抱きしめ返してくれる。
「うふふ、おやすみ、公介」
「おやすみ、舞」
早朝。
「それじゃ、行ってくるわ。なんか美味しいもの見つけたら、買ってくるからね」
「ああ、頼むぜ」
「それじゃ、お願いします」
舞が両手を広げる。
俺はハグと行ってらっしゃいのキスをしてあげる。
「行ってらっしゃい、チュッ」
「チュッ、はい、行ってきま〜す!」